表彰台目指した可夢偉、決勝は散々なレースに クラッシュで波乱、後半戦は再び混戦か=F1
王者ベッテルは堅実な走りで2位
スタート直後、多重クラッシュが発生。可夢偉も巻き添えを食らった 【Getty Images】
こうした混乱をよそに、上位争いに進出してきたのが現王者のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)だった。予選ではまさかの11位でQ2敗退。これまでスパ・フランコルシャンは得意中の得意としてきたレッドブル陣営だったが、今年はこのような高速コーナーの多いコースで苦戦してきたため、決勝も厳しいレース展開になるかと思われた。
しかし、レースペースでライバルを圧倒できない分、ピット戦略での逆転を狙ってきたレッドブル陣営およびベッテルは、タイヤの消耗を気にして2ストップ作戦を選ぶドライバーやチームが多い中、優勝したバトン同様に1ストップ作戦を選択した。これが見事に的中し、最終的にトップのバトンに迫ることはできなかったが、堅実な走りで2位表彰台を獲得した。一時はランキング首位のアロンソに対して44ポイント引き離されていたが、今回一気に18ポイントを稼ぎ、トータル140ポイントでランキング2位に浮上している。リタイアにより0ポイントに終わってしまったアロンソ(164ポイント)に対して24ポイント差まで詰め寄る結果となった。
夏休み前の第11戦ハンガリーGPを終えた段階で40ポイントの貯金を持っていたアロンソが、後半戦も有利な展開で進めていくと思われたチャンピオン争い。だが、予想もしなかった彼のリタイアがきっかけで、序盤戦のような大混戦の展開に戻っていくかもしれない。
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