3985校の頂点に立つチームは!? 本命は大阪桐蔭=第94回夏の甲子園大会見どころ

松倉雄太

藤浪、濱田“高校BIG3”以外にもそろった好投手

昨夏、今春と準優勝に終わった光星学院。東北勢悲願の“白河越え”なるか 【写真は共同】

 今大会注目の投手としては、大阪桐蔭高・藤浪晋太郎と愛工大名電高・濱田達郎が挙がるが、それ以外にも楽しみな選手が甲子園の舞台をつかんだ。

 まずは桐光学園高(神奈川)の2年生左腕・松井裕樹。神奈川大会では準々決勝で横浜に競り勝って自信を得ると、決勝の桐蔭学園高戦では15個の三振を奪った。奪三振率13.21は、今大会主戦投手の中で堂々のトップだ。
 制球力の良さでは仙台育英高(宮城)の渡辺郁也(3年)。宮城大会5試合39イニングで、与えた四死球はわずかに1つ。それも死球だったため、無四球で甲子園に乗り込むことになる。
 失点1で甲子園やってきたのが高崎商高(群馬)の左腕・関純(3年)。群馬大会では準決勝と決勝で連続完封だった。
 甲子園練習で度肝を抜くピッチングを見せたのが東海大甲府高(山梨)のエース・神原友(3年)。昨秋までは、恵まれた体格を生かしきれていないピッチングに見えたが、冬を越えて大きく成長。最速148キロの直球には重さが感じられ、対戦する打者にとっては厄介な投手と言える。

 もう一人、甲子園練習で驚きのピッチングを披露したのが龍谷大平安高(京都)の井澤凌一朗(3年)。背番号8の外野手で、京都大会でも登板がまったくなかったが、力強い直球が目を引いた。
 京都のライバル校が「秘密兵器なのでは?」と警戒していた選手でもある井澤。原田英彦監督は「投手として計算している。登板の可能性は十分にある」と話した。

「大阪桐蔭vs.春に敗れたチーム」の図式か

 打者の注目は盛岡大付高(岩手)の二橋大地(3年)。岩手大会決勝では、花巻東高の大谷翔平(3年)から本塁打を放った。
 チーム打率4割5分6厘で初出場の富山工(富山)では、エースの亀沢雅(3年)が富山大会15打数12安打、打率8割と打ちまくった。

 さて、組み合わせを見ると、前記した大阪桐蔭高と光星学院高がやはり有利だ。特に大阪桐蔭高を倒せるだけの戦力を持つチームという観点では、なかなかチームが浮かび上がらない。

 そうとすれば、春に敗れているチームがリベンジを目指すという図式になる。
 選抜決勝で敗れた光星学院高、準々決勝で敗れた浦和学院高(埼玉)がそれに該当する。そして、大阪桐蔭高に土をつけた経験のある天理高(昨秋の近畿大会)、明徳義塾高(高知、6月の招待試合)といった試合巧者のチームが不気味な存在だ。
 2年ぶりに春夏連覇のチームが出るのか? それとも新しいチャンピオンが誕生するのか?

<了>

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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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