岐路を迎えた可夢偉に求められること=F1 不完全燃焼に終わった6月のGP
次戦は5グリッド降格
ヨーロッパGPでは一時3番手に浮上したものの、ピット作業に手間取ったことで冷静さを欠き、最終的にはリタイアとなった 【写真:ザウバー】
しかし、そのザウバーがようやく「C31はチーム史上最高のマシン」とペーター・ザウバーに言わしめるほどのマシンを手に入れた上、群雄割拠の極みとも言える予測不能の勝者乱立シーズンとなっているのにもかかわらず、その恩恵を可夢偉が受けられないことは歯がゆいと言うしかない。だが、こうした現状を打ち破るために必要なのは、やはり結果しかない。次戦イギリスGPでは5グリッド降格というペナルティーが確定している可夢偉だが、今一度、F1ドライバー小林可夢偉をビルドアップし、周囲の雑音を黙らせるためにも会心のレースを見せてもらいたい。
バレンシアでQ2敗退を喫したアロンソが、母国の大観衆を前にまさかの逆転勝利を収めたように、そしてミハエル・シューマッハがラスト2周で一気に3位にまで駆け上り、6年ぶりの表彰台を手にしたように、F1の女神は相変わらず気まぐれだ。近いうちにきっと、女神は可夢偉にもほほ笑んでくれると信じよう。
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