完成度高いイタリアが有利=奥寺康彦のユーロ準々決勝展望

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ピルロの大仕事から目を離すな

奥寺氏が絶賛する活躍でイタリアをけん引するピルロ 【写真:Action Images/アフロ】

 ドイツ、スペインの2強を追うのはイタリアだろう。特にアンドレア・ピルロは個人的にグループリーグのMVPだと思っている。いい選手という印象はあったが、33歳になってなお、あそこまで走ってチームに貢献できる選手だとは思ってなかった。

 初戦(vs.スペイン)のアシストも、ディフェンスに時間を費やしながらも速攻と遅攻を意図して効果的にチョイスしていたね。ボールを持つと大きな仕事をすることも証明した。

 2戦目(vs.クロアチア)なんて本当にノーミスで、フリーキックまで決めた。完ぺきな内容だったと思う。

 ピルロやダニエレ・デ・ロッシらを中心に、イタリアはズルズルと最終ラインを下げずに高く保って、とにかく中盤からボールに対して早く寄せる。それに尽きる。ハードワークではあるけれど、それを90分間継続できる強さと頭の良さが備わったチームだよね。ここまで完成度か高いとは、正直思ってなかった。

 そういう意味ではクロアチアも彼らに近く、スペインに対してすべきことをかなり高い水準で遂行していた。あんなに苦しんでいるスペインの姿は久しぶりに見たからね。他のチームも参考になったんじゃないかな。

無敗通過も内容は乏しいイングランド

 イングランドは予選の結果だけを見ると問題は見当たらない。ウェイン・ルーニーも帰ってきたのは確かに好材料ではある。復帰していきなりスコアするなど、彼にはやはり特別な存在感あるからね。

 しかし、実際にゲームを分析してみると、やはり彼らの強さがいちばん発揮できるゲーム構築ができているかといったらノー。

 本来はスティーブン・ジェラードがゲームを作るはずなのだろうけれど、ディフェンスに時間をとられたり、ボールキープに腐心せざるをえなかったりと、ゲームメークまでに手が回らない状況だ。

 ルーニーが点を取ること、ジェラードが試合を作ることにそれぞれ集中することができれば、タレントは豊富なのだから、トーナメントを上がっていける可能性は小さくない。ただ、グループリーグ3試合を観た限りは正直、苦しいと思う。ロイ・ホジソン監督が大きなテコ入れをしてくるのか、スターティングメンバーのチョイスや戦術にも注目したい。

<了>

WOWOW番組情報

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6月8日(金)〜7月1日(日)全31試合を完全生中継!

・準々決勝−4「イングランドvs.イタリア」
6月24日(日)深夜3:30[WOWOWプライム]

・準決勝−1「準々決勝1の勝者vs.準々決勝3の勝者」
6月27日(水)深夜3:30 [WOWOWプライム]
※ゲスト解説:宮本恒靖氏

・準決勝−2「準々決勝2の勝者vs.準々決勝4の勝者」
6月28日(木)深夜3:30 [WOWOWプライム]
※ゲスト解説:宮本恒靖氏

・決勝「準決勝1の勝者vs.準決勝2の勝者」
7月1日(日)深夜3:20 [WOWOWプライム]
※ゲスト解説:宮本恒靖氏
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