臼井優華、3連覇なるか? 井原高の団体3冠は?=全日本新体操ユース/男子新体操団体選手権見どころ

椎名桂子

臼井が個人総合で優勝の最有力候補

個人総合で優勝の最有力候補と目される臼井 【小林隆子】

 5月25〜27日の3日間にわたり、千葉ポートアリーナで「第10回全日本新体操ユースチャンピオンシップ/第3回男子新体操団体選手権大会」が開催される。ユース層(中学2年生〜高校生)にとっては、インターハイ、高校選抜大会と並ぶ3大大会の1つであるが、今回は男子新体操に見どころが多い。

 個人総合で優勝の最有力候補と目される臼井優華(岐阜・済美高)は、2011年度高校3冠(ユース、インターハイ、高校選抜)を達成。ユースチャンピオンシップは、今回優勝すれば3連覇となり、まさに「絶対王者」である。しかし、その臼井といえど、今回は楽には勝たせてもらえそうにない。青森山田高から永井直也(昨年ユース2位)、平野泰新(昨年ユース4位)、井原高(岡山)から佐能諒一(高校選抜2位)、小川晃平(高校選抜5位)、さらに、川西伸也(坂出工業高/高校選抜3位)らのライバルが「打倒臼井!」を目指してしのぎを削っているからだ。

超高校級の佐能が臼井に迫れるか?

臼井のライバルとして名乗りを上げる佐能 【小林隆子】

 特に高校選抜で、臼井とは0.55点差の2位だった佐能は、技術、表現力ともに超高校級の実力者。高校選抜ではクラブで落下があり、やや点差が開いたが、他の種目では臼井に迫る得点をマークしている。

 とはいえ、1つのミスで大きく順位が変わる男子新体操においては、4種目ノーミスが勝利の鉄則だ。その点、試合で大きなミスがほとんどない臼井の抜群の安定感は、高校生としては突出している。昨年11月の全日本選手権でも社会人、大学を相手に総合6位に入賞した力をもってすれば、3連覇の可能性はかなり高いと言えるだろう。

 また、今大会には中学2年生から出場できるため、昨年度ジュニアチャンピオンの安藤梨友(NPOぎふ新体操クラブ)や、キューブ新体操所属の佐藤兄弟(綾人・嘉人・颯人の三つ子。昨年の全日本ジュニアには3人そろって出場。綾人は5位入賞)ら中学生も出場する。高校生に交じっての健闘に期待したい。

団体では井原高に注目

昨年のインターハイを制した井原高 【小林隆子】

 男子新体操団体選手権では、昨年のインターハイ覇者・井原高に期待がかかる。井原高はすでにインターハイ、高校選抜と2勝を挙げており、今大会で優勝すれば年度をまたいでの3冠達成となる。昨年の全日本選手権では、05年の青森山田高以来の3位入賞を果たした実力は、すでに多くの人の認めるところだ。男子としては最高レベルの柔軟性と美しい徒手、スピード感と高さのある組み技、作品のもつドラマ性。高校生団体としては最高峰と言われるその演技は、一見に値する。

 井原高のライバルとなりそうなのは、インターハイ、高校選抜ともに5位と安定した力のある埼玉栄高と、個人では優勝候補の臼井優華を擁するNPOぎふ新体操クラブだろう。高校生5人にジュニアチャンピオン・安藤梨友を加えた混成チームは、高体連の試合には出場できないため、この大会でしか見ることができないドリームチーム。タンブリング力には定評のあるNPOぎふチームが、王者・井原にどこまで迫れるか注目したい。

<了>
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著者プロフィール

1961年、熊本県生まれ。駒澤大学文学部卒業。出産後、主に育児雑誌・女性誌を中心にフリーライターとして活動。1998年より新体操の魅力に引き込まれ、日本のチャイルドからトップまでを見つめ続ける。2002年には新体操応援サイトを開設、2007年には100万アクセスを記録。2004年よりスポーツナビで新体操関係のニュース、コラムを執筆。 新体操の魅力を伝えるチャンスを常に求め続けている。

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