奈苗“女子プロ頂上戦”制す、ゆずポン組はタッグ王座初防衛=スターダム
高橋奈苗が宿敵・里村を破り、女子プロレス頂上戦を制す! 【前島康人】
メーンイベントではワールド・オブ・スターダム選手権として王者・高橋奈苗と、仙台女子プロレスの里村明衣子が激突。23分20秒にわたる激闘の末、奈苗がワンセコンドEXからの片エビ固めで里村に勝利し、2度目の防衛に成功した。
『ベルトの価値』論争で、試合前から火花
ベルト論争で試合前から激しく火花を散らした 【前島康人】
その後は、昨年10月の女子プロレス団体対抗戦『FLASHトーナメント』決勝で対峙したが、結果はパートナーの花月が世IV虎を仕留め、2人の間で決着はつかず。そして今年1月のブル中野引退興行『女帝』では、元アイスリボン代表のさくらえみとともに同じコーナーに立ったが、そこで生まれたのは、お互い『シングルで戦うべき相手』という強い思い。そこから、2010年以来のシングルマッチをスターダムのリングで行うことが決定し、今回のタイトルマッチとなった。
ただ、この対戦を発表した1月10日の会見で勃発したのが『ベルトの価値』論争。自分が保持するベルトに新しい歴史を作り出し、価値を高めていきたいとする奈苗に対し、「今の女子プロレスにあるベルトは単なるお飾り」と言い切り、タイトルマッチに疑問を呈した里村。「ベルトの価値」に対する意見が真っ向から衝突し、戦う前から激しい火花が散っていた。
壮絶なしばき合い 最後は奈苗の意地の一撃で仕留める
必殺のワンセコンドEXでついに撃破! 【前島康人】
序盤から、感情むき出しの攻防が続き、里村が強引にジャーマンスープレックスで投げると、奈苗は顔面へナックルパンチ。これで口を切って流血が見られた里村だが、ひるむことなくトップロープに上った奈苗にオーバーヘッドキック、そして顔面キックと容赦ない蹴りを見舞った。
試合時間が5分を過ぎると、レスリング的な展開が増える。バックを取りあい一方がスリーパーを掛けると、負けじとスリーパーで応戦し体力を奪いにかかる。一度エルボーやビンタが入ると、再び打撃系の技を繰り出し激しく感情がぶつかり合う。そして場外に落ちた里村に奈苗がトペ・スイシーダを敢行すれば、里村は奈苗とのエプロンサイドの攻防に勝ち、場外マットへ投げ捨てる。さらに里村の雪崩式ブレーンバスターやデスバレーボム、奈苗のバックドロップ、延髄蹴りなど大技も飛びだし、いつどちらが倒れてもおかしくない状態が続いた。
しかしお互いの意地が3カウントをたたかせることを許さず、時計は20分を経過。再び、スリーパーで奈苗の意識を落としにかかった里村だったが、いったんブレークした後のオーバーヘッドキックをよけられ、そのすきをついた奈苗にナナラッカでたたきつけられる。腕ひしぎ逆十字固めで形勢を逆転しかけた里村だったが、奈苗がラリアットから再びナナラッカを成功させ、冷蔵庫爆弾(ダイビングボディープレス)を敢行。これを里村がカウント1で返すと、再び里村の体を持ち上げ、必殺技のワンセコンドEX(腕を極めた状態で、そのままエメラルド・フロウジョンのようにたたきつける技)を完ぺきに決めると、里村は返すことができず、ついに決着がついた。
松本と世IV虎が挑戦表明。奈苗「私は逃げない!」
立会人のブル中野さん(左)からも祝福された奈苗はさらに“女子プロ最強”をばく進していくことを誓った 【前島康人】
また、奈苗のマイクアピールの途中に、松本浩代と世IV虎がリングに登場。ベルトへの挑戦を表明すると、奈苗はその場では結論をはぐらかし、どちらと戦うか明言しなかった。しかし、「私は逃げません。逃げようともしません。大丈夫」と誰からの挑戦でも受けると改めて宣言した。