デビュー15周年の近藤が再びウェルター級戦線へ=パンクラス見どころ

提供:イープラス

ライトヘビー級王座を返上してミドル級トーナメントに挑む“闘う社長”川村 【t.SAKUMA】

 パンクラスが開催する2012年第一弾興行であるディファ有明大会には、注目のカードが揃った! 現在空位となっているミドル級の王者を決定するトーナメントが行われる他、パンクラスismから近藤有己、そして総合格闘技2戦目となる木村響子の参戦が決定している。

(構成・文:佐々木亜希)

■ミドル級キング・オブ・パンクラシストをめぐる戦い

 前王者の藤井陸平(和術慧舟會RJW)がベルトを返上し、空位となっていたミドル級ベルト。11代目王座を決定する4選手によるトーナメントに、“戦うパンクラス社長”川村亮(パンクラスism)が参戦する。
 第4代ライトヘビー級王者の川村は、昨年より階級を落としてミドル級へ転向。このトーナメントを制すれば、自らの団体で2階級制覇する社長という、格闘技においてはきわめて珍しい存在となる。
 しかし、トーナメントに参戦する他の選手は、川村の2階級制覇をそう簡単には成し遂げさせてくれそうにない。トーナメント初戦で川村と対決する久松勇二(和術慧舟會横浜道場)は、40歳の大ベテラン。突進力と打撃で川村が勝負をかけても、久松がベテランの意地と技術で封じこめ、自らの試合ペースに持ち込んでしまう可能性は十分にある。  トーナメントの片側には、ミドル級転向初戦で川村と対決し、ドローとなった一慶(チームクラウド)と、久々のパンクラス参戦となる佐藤光留が待ち構えている。パンクラスMISSON所属のプロレスラーとしてDDTやZERO1のリングへ活躍の幅を広げた佐藤は、昨年外様での参戦ながらDDT総選挙1位に輝いた。川村が社長という立場で人間力を磨いているなら、佐藤もまた、プロレスのリングという場で己を鍛錬しているのに変わりはない。
 川村と佐藤が互いに勝ち進めば、決勝は同門対決となる。パンクラスの至宝を賭けて、メインの決勝へ駒を進めるのは果たして誰になるのか。

女子プロレスラー木村響子が総合2戦目に挑戦!

 昨年11月、パンクラスのリングで総合格闘技デビューした女子プロレスラーの木村響子(坂口道場一族)。ママさん女子レスラーとして活躍しながら、坂口道場で技術を磨いてきた木村は、藪下めぐみを相手に1RTKO勝利。3カ月という短いスパンでの第2戦となる。
 対戦相手の佐藤瑞穂(頂柔術)は、女子格闘技Valkyrie・無差別級で活躍。柔術家としての技術を兼ね備え、総合格闘技11戦の経験を持つ佐藤との対戦は、木村の実力を計る意味でも見逃せない試合だ。
 また、女子重量級について語るなら、飛び抜けた知名度と実力を持っている中井りん(修斗道場四国)の存在を抜きにはできない。木村自身もデビュー戦後に「見た目ややっていることも興味深い」と語るなど、中井の存在をしっかり視野に入れていることを明かしている。対戦の実現を望むなら、中井が2度対戦し、勝利した佐藤に勝利することで可能性は高まるだろう。
 もちろん、佐藤にとっても木村を破ることが、リベンジのチャンスを手に入れるチャンス、そして女子重量級の現在の実力者としての証明に違いない。
 勝利すればその先にチャンスが広がる反面、敗れれば対戦相手にも試合機会の獲得にも苦労するのが女子重量級の現状でもある。それだけに、この一戦に賭ける木村、佐藤の意気込みは計り知れないはずだ。男子選手同士の戦いに負けない迫力、内容が期待できる。

近藤、ウェルター級戦線へ再び名乗りを上げる!

デビュー15周年を迎える近藤はウェルター級で再び頂点をめざす 【t.SAKUMA】

 第10試合には、パンクラスismの近藤有己が登場。1996年にデビューした近藤は、その1年半後に当時のエースだった船木誠勝(現在は全日本プロレス所属)を倒し、第5代キング・オブ・パンクラシストの称号を手にした。
 これまでライトヘビー級(83.9−93.0kg未満)、ミドル級(77.1−83.9kg未満)でパンクラスのベルトを巻いてきた近藤だが、昨年よりウェルター級(70.3−77.1kg未満)に転向。しかしウェルター初戦となった11年2月の長岡弘樹(総合格闘技道場DOBUITA)戦では判定で敗れ、試合後には減量の苦しさゆえか、脱水症状で病院に搬送されてしまう。この一戦はミドル級タイトルマッチで藤井陸平に敗れての再出発という意味合いもあっただけに、あまりにも苦しい結果となった。
 8カ月後、近藤は10月の中村勇太(和術慧舟會TEAM T-REX/T-REX JIUJITSU ACADEMY)との試合へ80.0kg契約で挑み、判定で勝利。2連敗を脱出して2011年を終えることに成功し、あらためてウェルター級戦線へ名乗りをあげた。
 かつてPRIDEで世界の強豪と戦い、パンクラスのリングで菊田早苗(GRABAKA)、郷野聡寛(GRABAKA→現在はフリー)らを相手に強さを見せつけてきた近藤。ウェルター級という新たなステージで、近藤はどう戦いぬき、どんな立ち姿を見せるのか。
 2012年は近藤にとって、デビュー15周年という節目の年。勝利によって道を切り開き、さらなる進化を遂げられるか。

 また、先日行われた公開練習では、第13試合に参戦すルKEI山宮(GRABAKA)がプロレスラー・TAJIRIの必殺技・バズソーキックにインスパイアされた、トラースキックの投入を予告。パンクラスのリングでは、06年の佐藤光留vs.桜木裕司戦で、桜木の繰り出した佐山サトル直伝のソバットが決定打となったこともあるため(倒れた佐藤に桜木がフットスタンプを繰り出し、レフェリーストップ)トラースキックによる決着も十分に考えられる。

 1月28日大会は全14試合+本戦一部4試合という見応えのあるボリューム。ここまで述べてきたように、ボリュームだけでなくひとつひとつの試合も魅力が詰まっているものばかりだ。ツアー開幕戦となる今大会の結果いかんによって、今年のパンクラスを牽引する主役の顔がはっきりと見えてくることになるだろう。


■パンクラス「PANCRASE 2012 PROGRESS TOUR」
1月28日(土)東京・ディファ有明 開場14:45 第1部開始15:15(予定) 第2部開始16:00

【第2部】

<第14試合 ミドル級第11代キング・オブ・パンクラス1DAYトーナメント決勝戦 5分2R>
一慶vs.佐藤の勝者
川村vs・久松の勝者

<第13試合 スーパーフライ級キング・オブ・パンクラスタイトルマッチ 5分3R
[王者]清水清隆(SKアブソリュート)
[挑戦者]小塚誠司(FREEDOM@OZ/同級1位)

<第12試合 ウェルター級 5分2R>
KEI山宮(GRABAKA/同級4位)
田村ヒビキ(パラエストラ大阪)

<第11試合 スーパーフライ級 5分2R>
安永有希(東京イエローマンズ>/同級2位)
廣瀬 勲(ストライプル/同級3位)

<第10試合 バンタム級 5分2R>
曹 竜也(闘心/同級6位)
滝田J太郎(和術慧舟會東京道場/同級7位)

<第9試合 バンタム級 5分2R>
大石真丈(フリー/同級3位)
沼倉雄太(TRIAL/2011年ネオブラッドトーナメント同級優勝)

<第8試合 バンタム級 5分2R>
佐藤将光(坂口道場一族/同級10位)
斉藤正臣(高田道場)

<第7試合 ミドル級第11代キング・オブ・パンクラス1DAYトーナメント第2試合 5分2R>
川村 亮(パンクラスism/同級2位)
久松勇二(和術慧舟會横浜道場) 

<第6試合 ミドル級第11代キング・オブ・パンクラス1DAYトーナメント第1試合 5分2R>
一慶(チームクラウド/同級1位)
佐藤光留(パンクラスMISSION)

<第5試合 ウェルター級 5分2R>
近藤有己(パンクラスism)
永木健二(WRESTLE−WIN)

<第4試合 フライ級 5分2R>
松永義弘(禅道会新宿道場/同級2位)
タイガー石井(パラエストラ吉祥寺)

<第3試合 フェザー級(64kg契約) アテナルール 5分2R>
木村響子(坂口道場 一族) 
佐藤瑞穂(頂柔術)

<第2試合 フライ級 5分2R>
江泉卓哉(総合格闘技道場武門會/同級3位)
宇津木正和(パラエストラ古河)

<第1試合 フェザー級 5分2R>
なおKING(CORE) 
伊禮真也(和術慧舟會HEARTS)

【第1部】

<第4試合 ライト級 5分2R>
太田純一(GOKITAジム)
平山敬悟 (パラエストラ八王子) 

<第3試合 フェザー級 5分2R>
増田良太(GRABAKA) 
芦田崇宏 (Brave)

<第2試合 スーパーフライ級 5分2R>
島袋 力(CORE)
藍 寛之(総合格闘技GROW/チームZST)

<第1試合 バンタム級 5分2R>
土佐健市(KIBAマーシャルアーツクラブ)
CORO(和術慧舟會TLIVE)
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