愛川ゆず季 女子プロレス大賞受賞記念インタビュー

茂田浩司

どうしたら武藤さんみたいに出来るのか…

必殺技はテコンドー仕込みのゆずポンキック! 【t.SAKUMA】

――この1年で一番大変だったのが『ここが噂のエルパラシオ』の撮影と試合を並行してやった時期じゃないですか?

愛川 自分でもよくやったなと思いますね(苦笑)。マネジャーと何回喧嘩したか分からないですし、何回泣いたか分からないですし、すっごい大変でした。寝る時間がないのにプロレスをやるってどうなんだろうなっていう(苦笑)。売れっ子さんは分刻みのスケジュールでやられてますけど、プロレスは普通の仕事とは違いますし、ケガのリスクもありますし「やってる人にしか分からないこと」もあるんですよ。事務所が「愛川ゆず季を芸能でも売り出したい」という気持ちも分かるんですけど、そこのぶつかり合いでした(苦笑)。でもそこで頑張れたのも「女子プロレス大賞を獲る」って目標があったからです。ホントにきつかったんですよー(苦笑)。

――その朝から夜中まで続くハードな撮影の成果で『エルパラシオ』はプロレスのシーンも丁寧に描いていましたね

愛川 はい、制作の方も愛を持って作ってくださったので。何回も試合を見に来てくれたり、応援に来てくれましたし。あとはスターダムの選手も出てましたし(レギュラーでは)プロレスラーは私しかいないので、リングでのシーンには責任感もありました。

――ただドラマの撮影とか芸能活動をした後、プロレスでメイクが落ちるわ、顔は腫れるわをやるとそのギャップに愕然、みたいなことはなかったですか?

愛川 ああ、それは全然ないです(笑)。デビュー戦で傷とかあざのある写真も出ちゃったですし(笑)。誰でも高橋奈苗選手とやればああいう顔になると思うんですけど(苦笑)、その方が私も燃えるって高橋選手は分かっているんですよね(笑)。

――さて、女子プロレス大賞を獲り、2年目はさらに求められるハードルも上がりますね

愛川 大変ですよ。でも私はそういう風に感じてなくて、いろいろと目標もあるんです。

――そうなんですね

愛川 ファンの人はすぐ引退すると思ったみたいで、最近はみんなに「辞めないで下さい」って言われるんです。「あ、そう見られてるんだ」と思ったんですけど(苦笑)。私は女子プロレス大賞を獲って満足してるわけではないし、スターダムアワードのMVPもいただいたんですけど、実際に私はスターダムでそんなに活躍してないんですよ。ベルトは獲りましたけど(ワンダー・オブ・スターダム)。「ゆずポン祭」と芸能活動も評価していただいて女子プロレス大賞をいただいたと思うんですけど、プロレスも全然満足してないので。

――まだまだ上を目指して

愛川 はい、プロレスもそうですし、芸能活動ももっとやっていきたいです。

――リングでは360度が客席で、どんな方向からも見られる「怖さ」はないですか?

愛川 怖いと思うのはポロリとかだけで(笑)。特に気にはしてないですね。でもやっぱり痛かったら「こんだけ痛いんだよ!」って伝えたいと思うし、そういうのは意識しながら戦ってますね。

――「観客を手の平に乗せて怒らせたり泣かせたり自在に操る」みたいな感覚は分かりますか?

愛川 それは一回、武藤敬司選手と組ませていただいて「わ、すごい!」と思いました。本当に悔しいぐらい、入場するだけですごいし、ロープに走っただけですごいし。それはその方が積み上げてきたレスラー人生がそうさせるのかな、私は無理かなって思ったんですけど、私にもグラビアから積み上げてきたものがあるんで、それでも足りないのはまだ努力が足りないのかなって。どうしたら武藤さんみたいに出来るのか、全然分からないです。才能があって努力して、出来るようになるのか……。

世IV虎には絶対に負けたくない

「プロレス大賞がどういう賞なのかもよく分かってなくて」と笑顔 【t.SAKUMA】

――愛川さんは「観客の感情」の動かし方をすでに身につけつつある感じがしますけどね。ところで「BY砲」のパートナー、美闘陽子選手については。「未完の大器」であり「エース候補」ですよね

愛川 そのキャッチフレーズはやめてあげてください(苦笑)。可哀想ですよー。

――(苦笑)でもそれだけ彼女に対して期待が大きいんですよね

愛川 私も練習を始めたころから一緒に練習してて「スターダムは陽子ちゃんが引っ張っていくんだろうな」と思いましたし、本人もそう思ってるんだろうなって思いました。ただ、前に陽子ちゃんとしゃべって「デビューする前と後じゃ違ってた」って本人も自覚しているんですよ。その時に「陽子ちゃんは何のためにプロレスをやってるの?」って聞いたんです。

――ズバリ聞きましたね(笑)

愛川 例えば、ベルトが獲りたい、お金を稼ぎたい、有名になりたい、芸能界で生きていくためのステップアップにしたい。いろんな理由があると思うんですけど、陽子ちゃんに「こうしたい」っていう目標がなかったんですよ。陽子ちゃんはすごいものを持ってるんですけど体が大きいことも本人は嫌みたいで。

――ああ、そんな感じはしてました

愛川 でもプロレスラーとしてはすごい武器じゃないですか。だからもっと大きく見せればいいと思うし、あんなに蹴りがすごいんだからもっとすごく見せたり、アピールすればいいと思うんですよ。ただ本人もそれは分かってるので、そこが化けたらすごい選手になります。私なんかすぐ抜かれます(笑)。

――美闘さんは立ってるだけで他の新人選手と全然存在感が違うんですよね。ただ、スターダムの中で唯一「なぜプロレスをやるのか」が見えないんですよね

愛川 ですよね。「もったいない!」って言いまくりました(笑)。陽子ちゃんが「こうなりたい」って言ったら後押ししてくれる人は一杯いるんだからって。私がプロデュースしてあげたいけど「絶対に抜かれるからやらない!」って言っておきました(笑)。

――(笑)タッグパートナーとして愛川さんがプロデュースします、と言うのかと

愛川 半分ぐらいはしますけど、全部はしません(笑)。絶対に陽子ちゃんに抜かれちゃう自信がありますから(笑)。陽子ちゃんはめっちゃ良い子ですけどのんびり屋さんで(苦笑)。年齢を考えたらあまりのんびりもしてられないのでお尻を叩きます、BY砲として(笑)。

――なるほど。「脅威の18歳」世IV虎(よしこ)選手については?

愛川 あ〜、すごい選手だし、スターダムアワードのMVPも本当は世IV虎ちゃんだったんじゃないかって自分の中では思ってて。

――あ、そうですか

愛川 はい。スターダムの中で活躍したのは世IV虎ちゃんだなって思うし。世IV虎ちゃんがいたから自分が女子プロレス大賞を獲れたんじゃないかなって感じてます。でも悔しいし、絶対に負けたくないですね。

愛川ゆず季が「どういう試合をしてるか」知ってもらいたい

今年もプロレスラー、グラドルとして全力投球宣言 【t.SAKUMA】

――先日は宝城カイリ選手のデビュー戦の相手という重責も担いましたね

愛川 緊張しました。うなされました(苦笑)。夜、寝られなくて、ちょっと寝てもすぐ起きて試合のことを考えてドキドキして(苦笑)。

――デビューしたころはベテランに引っ張ってもらってたのが、2年目で早くもデビュー戦の相手をするって大変なことですね

愛川 「普通」が分からないからやってしまうんですけど(苦笑)。でもあの試合をやって少し自信がつきました。プロレスラーとして一つ上がったかな、って思ったり(笑)。年末から「どういう試合をしたらいいのかな?」ってずっと考えていたので。

――なるほど。いろんな経験をして、2年目はどういうことをしていきますか?

愛川 今年もスターダムと「ゆずポン祭」と、両方頑張っていきたいなっていうのがあって。で、去年武藤選手と組ませていただいたみたいにそういうお話があれば出て行きたいって思ってます。「愛川ゆず季がプロレスをやってる」って知ってる方は結構いると思うんですけど「どういう試合をしてるか」を知ってる方はまだ少ないと思うので。

――そうなんですよね

愛川 そこをどう見せていくか。「私がプロレスをやっている意味」を考えて、今年はやっていきたいと思います。

――ちなみに、グラビアで活躍されてる愛川さんに言っていいのか分からないんですけど、体型、変わりましたよね

愛川 変わりました(笑)。デビューしたころの写真を見ると、か弱いんですよ(笑)。全然自分では変わったつもりはないんですけど……。

――あの〜、筋肉がついて「戦う体」になっているんですよね

愛川 それ、戻るんでしょうか(苦笑)。でも私、練習するのが嫌いなんですけど(笑)、練習の時は「これはエクササイズなんだ、ダイエットにいいんだ」って思い込みながらやっているんですよ(笑)。「このトレーニングはヒップアップだ!」とかスクワットしながら「足を引き締めよう」とか、美意識を高めてます(笑)。こんなことを言ったらプロレスファンの人に怒られちゃうかな(笑)。

――グラレスラーらしくていいです(笑)。では最後にメッセージをお願いします

愛川 4月に新居浜で「ゆずポン祭」が出来ることも楽しみなんです(4月8日、銅夢にいはま)。両親はまだ私のプロレスの試合を見たことがないのでその日は「今すぐやめなさい!」って言われないような試合をしないと(笑)。ベルトを持って凱旋したいのでしっかりとベルトも守っていきます。皆さん、応援よろしくお願いします。ゆずポン、キ〜ック!

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著者プロフィール

94年から週刊の情報誌でスポーツページを編集。野球、サッカー、NBA、テニス、F-1など様々な競技や選手を取材。96年からフリーに。99~02年「ゴング格闘技」編集ライター。現在は格闘技、お笑い、教育、健康、舞台・テレビ、政治・時事などを幅広く取材・執筆中。

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