新たなシーズンは、イチローにとって契約最終年という点でも、重要な意味を持つ。

　昨季後半に入って、イチローの再契約に関する記事を目にするようになり、これまで、いずれもフリーエージェントになる前に契約延長を交わしてきた経緯を考えれば、シーズン途中で発表があってもおかしくない。

　ただ、昨季の成績が交渉のベースになるとしたら、年棒、契約年数ともに、今の契約（５年、９０００万ドル）の半分以下が相場。これまでの貢献がどう査定されるかは分からないが、本人を含め、誰もが納得する契約を勝ち取るのだとしたら、今季、特に前半の位置付けは大きなものとなろう。

　いずれにしても、求められるは結果。

　低迷を年齢と結び付けようという見方が間違いだということを示すことができるか。来年以降もチームにはイチローが必要だということをアピールできるかどうか。

　日本の開幕戦を、懸念を払拭し、改めて存在感を証明する舞台としたいところだ。

　その日に向け、イチローはこのオフに入ってユニークなトレーニングを取り入れたよう。

　１０月２９日、かつてＮＢＡで活躍したエルドリッジ・リキャスナーが、ツイッターでこう呟いている。

“Just saw Ichiro again running back down. He HAS to be in GREAT shape to run that hill. I'm impressed！”
（今度は、イチローが坂道を下っていくのを見た。あの坂を走るには、体がシェイプされていないと無理。凄い！）

　その数日前には、急な坂道を駆け上がっているのを見たそうで、イチローはオフに入ってから、過去にはない形で今季へのスタートを切ったといえるのかもしれない。

＜了＞

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