KOとTKOの違いとは?――ボクシングの基礎知識 第2回

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モンティエルvsドネアはレフェリーが試合を止めドネアがTKO勝利 【(C)NAOKI FUKUDA】

 第1回はKO(ノックアウト)について説明したが、今回はTKO(テクニカル・ノックアウト)に関して話を進めよう。
 日本ボクシング・コミッション(JBC)のルールブックには、TKOは以下のように定義されている。

イ.有効打による負傷のため、これ以上試合続行は不適当とレフェリーが判断したとき
ロ.実力に格段の差があって一方のボクサーが甚だしくダメージを蒙って試合を停止したとき
ハ.ラウンド進行中チーフセコンドがタオルを投入し又はラウンドとラウンドの間に危険を申し出て、レフェリーがこれを認めたとき
ニ.ドクターが医学的見地から試合停止をレフェリーに勧告したとき
ホ.反則を犯したボクサーが負傷し試合が停止になったとき

 このなかで最も多く目にするシーンは(ロ)であろう。ダウンはしないがダメージが深刻なためレフェリーが二者間に割って入って試合を止める場合である。大雑把な言い方をすればTKOは限りなくKOに近い決着ともいえる。

KO(TKO)の割合は全試合の40〜45パーセント

 2011年の年間最高試合と評価されるノニト・ドネア(フィリピン)対フェルナンド・モンティエル(メキシコ)のWBC・WBO世界バンタム級タイトルマッチは、この典型といえるだろう。左フックでダウンを奪ったドネアが試合再開後に連打、レフェリーが試合をストップしたシーンが思い出される。
 2011年4月のオルランド・サリド(メキシコ)対ファン・マヌエル・ロペス(プエルトリコ)のWBO世界フェザー級タイトルマッチも絵に描いたようなTKOだった。

 また、ホルへ・リナレス(帝拳)が3階級制覇を狙ってアントニオ・デマルコ(メキシコ)と対戦、11回TKO負けを喫した試合(2011年10月)などは(イ)と(ロ)と(ニ)の複合型といえるだろう。鼻梁と右目上の負傷と出血、連打による一時的なダメージのためレフェリーが試合を止めたもので、大量リードを奪っていたリナレスにとっては悔しい結末となった。

 ちなみにボクサーの戦績を記す場合、TKOはKOと同一とみなして数字に表すことが多い。たとえば前出のドネアは28戦のうちKO勝ちを5度、TKO勝ちを13度収めているが、この場合、28戦27勝(18KO)1敗と表記するケースがほとんどである。
 なお、KO率に関しても付記するならば、これは全試合数に対するKO(TKO)の割合を表すもので、ドネアならば18÷28≒64パーセントとなる。
 さらに加えるならば、KO(TKO)で試合が決する割合は、全試合の40〜45パーセントというデータがある。これを多いと見るか少ないと見るかは、KOに対する各自の期待度によるといえるだろう。

【Written by ボクシングライター原功】

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