苦境だからこそ感じるファンの大切さ。「結果で恩返し」へ、三重Hは奮起する
さらに前節はこの試合までシーズン未勝利だった浦安D-Rocks(以下、浦安DR)に対しての敗戦とあって、その悔しさはひとしおだった。しかし、この試合後、ある場面が話題となった。すでにチームバスに乗り込んでいた三重Hのマーク・アボットが、帰り際にもかかわらずファンの呼び掛けに応え、バスを降りた。そして、彼を応援するバナーを掲げていたファンにサインを書き、握手を交わしていた。
昨季まで埼玉パナソニックワイルドナイツでプレーしていたアボット。貴重な関東での試合に駆け付けてくれた『個サポ』に強い感謝の思いを抱いていたという。「本当にありがたいことですし、ファンがいてこそわれわれは戦えるものです。ですから、応援に対してのお返しをしたいですし、できれば勝利も届けたい。今回はそれができずに悔しかったのですが、せめてバスから降りてサインをするくらいのことはしたかったんです。自分も子どものころはバスの外で選手に声を掛けていた側でしたし、サインが欲しいと思っていました。そして、いまは自分がサインをする側になりました。ですので、チャンスがあればできるだけファンサービスをしていきたいんです」穏やかな表情でアボットはその場面を振り返った。
三重Hはこのあと、今季最後となる2試合連続のホストゲームを迎える。まさにアボットが語った「応援へのお返し」をする絶好のチャンスだ。悪い流れを断ち切り、ファンに喜びを届けるため、チームはどのような取り組みを進めているのだろうか。
「先週の試合は望んだような結果にはなりませんでした。いい準備をして臨みましたが、浦安DRさんが素晴らしいパフォーマンスを見せたので、われわれは自分たちのやりたいことをさせてもらえなかった。この敗戦は決して無駄にしません。特にコンタクト面での課題を反省していますし、タックルやブレイクダウンで敗れていたという事実があります。次はそれが勝利へのカギになることは誰もが分かっているので、必死にトレーニングで取り組んでいます」
今週末は三菱重工相模原ダイナボアーズと対戦する三重H。2月16日12時から三重交通G スポーツの杜 鈴鹿でキックオフされる。
順位が近い相手との対決とあって、会場の熱気は普段以上に高まるはずだ。アボットは今季から味方となった『HEATER(三重Hのファンの通称)』について、このように話していた。「加入する前から三重Hのファンはすごいと聞いていました。そして、いざ加入してみたら想像以上に素晴らしかったです」
『HEATER』による熱い応援の中、2試合連続のホストゲームで「恩返し」ができるだろうか。三重Hの奮起に期待が懸かる。
(籠信明)
※リンク先は外部サイトの場合があります
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ