ネルシーニョ監督「ネイマールは世界一になれる可能性がある」=柏監督 準決勝サントス戦前日会見
サントス戦を前に記者会見する柏・ネルシーニョ監督=13日午後、豊田スタジアム 【共同】
この試合の勝者が、15日に行われるアルサッド対バルセロナの勝者と18日の決勝戦で対戦する。
次はもっと良くなると思う
ネイマールは世界でも素晴らしい選手。当然、警戒している。だが、それはネイマール1人ではなく、サントスというチームに対してだ。
――ネイマールを最高の選手だと思っているか?
マーケティングはブラジル国内だけではなく、国外からも声が上がっている。彼にはものすごい可能性がある。世界一になれる可能性があると思っている。
――公式ボールがJリーグとは異なるが気にならないか?
大会に入るまでのリーグ戦でやっていたボールとは違う。しかし、選手からクレームの声は上がっていない。そのボールで2日間、練習もした。それで違うと実感したが、プレーした選手からクレームは出ていない。
――監督がサントスを知っていて、もたらすメリットはどういうものか?
もちろん、サントスの戦術、状態、個人の才能は理解している。自分たちの仕事をきっちりとしないとやられてしまうだろう。われわれは2回試合をやり、(初戦の)オークランド戦よりも(準々決勝の)モンテレイ戦の方が内容は良かった。次はもっと良くなると思う。
――70年代と今を比較してほしい。また、サントス監督のラマーリョとの関係はどうか?
今と昔、70年代は比較できない。今のようにマーケティングがしっかりしていない時代だったため、比較はしにくい。あの当時は、重要な時期だった。サントスもあの時期に成長し、そこから新しい才能が出て、勝ちを重ねてベースを作った。ムリシー(ラマーリョ監督)との友情は40年間続いている。サンパウロ時代には5年間一緒にプレーをした。監督として、プロフェッショナルとして、彼をリスペクトしている。
――中2日と準備期間があまりなかったが、選手にはどういう言葉を掛けているのか?
試合が終わって疲れているが、それは疲労ではない。今年もリーグ戦では中3日で試合をこなしたこともあった。選手はそのペースに慣れている。昨日は回復に使った。グラウンド外でも回復のためにやりたい。選手はモチベーションが高く、(チームの)雰囲気が素晴らしい。今日は軽く汗をかいた。この状態では負荷はかけられない。今は回復している途中のため気を遣っている。
大事なタイトルのチャンス
ネイマールはサッカー界のスター。しかし、ほかにもエラーノ、ガンソ、ボルジェス……若手もいる。GKも良い。分析するとすごいチームだ。スターはネイマールだが、中盤から前は良い選手ばかり。日本サッカーでの経験を生かしたい。わたしは相手の話を選手にする時、前もっては言わない。今日やっとサントスのビデオを見せて、どうするか話をする。
――ブラジルではラマーリョ監督とネルシーニョ監督は性格が逆だと言われていることについて。また、これまでの両者の対戦成績は?
彼は確かに性格が強いキャラクターだが、それで監督として成功している。わたしとムリシーの対決は、どっちが勝っているかは分からない。対決自体が少なかったので。互いにサントスとサンパウロを率い、決勝で対戦したことはある。
――監督のキャリアでサントス戦は最も重要な試合か? この試合に勝ったら、クラブに残りたいというきっかけになるか?
自分にとって、この試合は重要。大事なタイトルのチャンスだ。サントスやバルセロナのような優勝候補と、同じレベルで戦えることはなかなかない。プロキャリアで大事な試合かもしれない。しかし、勝ったから負けたからではなく、わたしがここに来てから残した結果に価値があるかどうかが判断される。わたしはこの2年間、勝ち続けてきた。周りの人間は、わたしの仕事を高く評価してくれている。
――サントスに特別な感情はあるか?
自分が過ごした時期もあるクラブだから、愛おしいと思っている。それをグラウンドに持っていかずに、ベストを尽くして仕事をする。サントスには感謝しているが、今はそういうことは言っていられない。
――ブラジルでも日本でも監督をやっているが、その違いは?
ブラジルでは結果が出ていないと解雇されるが、それは日本でも同じだ。違いは、日本では計画があって、チームとしてのプランで監督を選び、契約は守られる。契約破棄は想定外の時だけだ。ブラジルでは優勝した監督でも3試合負けたら解雇されてしまう。ブラジルでは選手が入れ替わったり、サポーターから文句を言われたり、プレッシャーがすごい。周りはそれでも結果を出せと言うので、それはかなりのストレスになる。
<了>
取材:鈴木潤
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