シーナにスタンディング・オベーション=WWE日本公演初日レポート

斎藤文彦

スーパースターの中のスーパースター、ジョン・シーナに万雷のスタンディング・オベーション 【t.SAKUMA】

 WWEの日本ツアーは昨年8月の両国国技館2連戦以来、1年3カ月ぶり。横浜アリーナでの公演は06年2月のスマックダウン・ツアー以来、じつに5年10カ月ぶりとなる。今回の日本公演の正式タイトルは“ロウ・ワールドツアー2001”。WWEの2大ブランド、ロウとスマックダウンのうちのロウのベストメンバー17選手が来日した。

 2日間の日本公演の初日の注目カードはジョン・シーナ対ザ・ミズ、CM・パンク(王者)対アルベルト・デル・リオ(挑戦者)のWWE選手権のシングルマッチ2試合。2週間まえにニューヨークのマディソン・スクウェア・ガーデンで開催された11.20PPV“サバイバー・シリーズ”、来日前日の11.27“マンデーナイト・ロウ”サウスカロライナ大会の流れを受けたカード編成がそのまま日本に大移動してきた。

すっかり大物感のザ・ミズ、日本語で「ダマレ!」

お約束のブーイングに対しザ・ミズは日本語で「ダマレ!」、いったい誰が教えた? 【t.SAKUMA】

 全7試合中、第6試合にラインナップされたシーナ対ミズの一戦は、ロウ・ブランドのトップカード。チャンピオンベルトを腰に巻いていなくても、シーナが“月曜ロウ”の主役であることに変わりはない。ミズはここ1年ほどのあいだにすっかり大物っぽい雰囲気を身につけてきた若手ヒール。ミズというリングネームは本名のミザニンの略称で、特別な存在であることを表すために冠詞の“ザ”がつけられている。

 先にリングに上がってきたミズは、試合開始前にいきなりマイクをつかみ「ハロー、ジャパン」と日本のオーディエンスにあいさつをしたあと「15時間も飛行機に乗り、2時間半もバスに揺られ、ここまで来たんだぜ」とサウスカロライナ州コロンバスからニューヨーク、ニューヨークから成田、成田から横浜までの移動について説明。「オレの姿を拝むことができて、キミたちがどれだけ幸運であるか、わかるか?」と憎まれ口をきいた。横浜アリーナの観客がミズにお約束のブーイングを浴びせると、いったいだれが教えたのか、ミズは日本語で「ダマレ!」とやり返した。

スーパースターのなかのスーパースター

必殺フルコースでファンを魅了! 【t.SAKUMA】

 シーナの入場テーマ曲が流れると、アリーナ全体が「おーっ」というどよめきにつつまれた。入場ランプを走り抜け、サードロープの下からリング内にすべり込んだシーナは、リング上をゆっくり一周してアリーナを見渡したあと、トレードマークのベースボールキャップとおなじみのTシャツを観客席に投げ込んだ。

 試合はフライングショルダー2連発、“ユー・キャント・シー・ミー”のポーズからのナックル・シャッフル―STF―AA(アテテュード・アジャストメント)の必殺フルコースでシーナのフォール勝ち。試合終了後、シーナは両手首に巻いていたリストバンドをアリーナ席に投げ入れた。シーナの動きのひとつひとつがWWEファンが熟知する“あのシーン”“このシーン”のライブ版だった。横浜アリーナに集まったWWEユニバース・イン・ジャパンは、スタンディング・オベーションでスーパースターのなかのスーパースターに大きな拍手を送った。(文・斎藤文彦)
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