早くも信用を失ったアルゼンチン代表のサベーラ監督=ブラジルなきW杯予選での苦戦は許されない
アルゼンチン人は代表監督の見切りが早すぎる
就任早々、窮地に立たされたサベーラ監督。続投かどうかは11月のW杯予選2試合の結果次第となる 【写真:アフロ】
サッカー狂であるアルゼンチンの人々は、代表監督に見切りをつけるのが早すぎる。しかも長らく成功を手にしていないため、現在その傾向はさらに強くなっている。ガブリエル・バティストゥータやオスカル・ルジェリらを擁した1993年にエクアドルで行われたコパ・アメリカ(南米選手権)の優勝を最後に、アルゼンチンのA代表は18年も公式タイトルから遠ざかっているからだ。
アルゼンチンのW杯本大会出場を不安視する声は少ない。ディエゴ・マラドーナとダニエル・パサレラを擁して2度目の優勝を成し遂げた86年メキシコ大会も、予選ではペルーとの最終戦の残り15分まで出場権を手にすることができなかった。94年米国大会の予選では、モヌメンタルで0−5の屈辱的大敗を喫したコロンビアの後塵を拝して大陸間プレーオフへ回り、オーストラリアを1点差で下して辛うじて本大会に出場している。マラドーナが監督を務めた10年南アフリカ大会の予選でもアルゼンチンは大苦戦を強いられた。
継続した強化ができていない現状に不安の声
7月のコパ・アメリカで大失態を犯したバティスタを解任した後、アルゼンチンサッカー協会(AFA)はエストゥディアンテスで名を上げたサベーラを新監督に任命した。同クラブを率いて09年のコパ・リベルタドーレスと10年の前期リーグを制し、09年のクラブW杯では最後の1分までバルセロナ相手にリードを保ったサベーラは、80年代に選手としても同クラブで活躍した人物だ。
サベーラは監督としての経験が2年半しかない。98年W杯・フランス大会でアルゼンチン代表を率い、パルマやコリンチャンス、ウルグアイ代表などで経験を積んだものの、それはすべてダニエル・パサレラの第2アシスタントコーチとしてだった(フランス大会の後にアメリコ・ガジェゴが独立した後は第1アシスタントコーチとなった)。
その後、パサレラが現場を離れて現在務めるリーベル・プレートの会長に就任したことで、サベーラは自身を監督としたコーチングスタッフを作る機会を得た。そしてAFAのゼネラルマネジャーを務めるカルロス・ビラルドとの親密な関係のおかげで、現在アルゼンチン代表を率いるに至った。