UFC初の日本人王者へ、岡見が史上最強王者に挑む

WOWOW

アンデウソンを最も追い詰めた男のもとで猛特訓

サネンのもとで猛特訓のもと、岡見(右)はミラクルを起こしてみせるか 【Zuffa LLC via Getty Images】

 岡見は09年10月にサネンに敗れて以来、サネンのもとに出稽古に出かけるようになった。今回のタイトル戦の前も、オレゴン州のサネンのジムまで行って猛特訓している。岡見はサネンと戦いのスタイルが似ていることに加え、最終的に敗れたとはいえ、サネンこそがUFCでアンデウソンを最も苦しめた選手だから、トレーニング・パートナーとして最適なのだ。また、日本と違って岡見と同等以上の体格の大型選手も多い。
 昨年8月のUFC117でのタイトル戦でサネンは、初回からアンデウソンに打撃をヒットさせ、全ラウンドでテイクダウンに成功し、グラウンド状態で上になってアンデウソンを殴り続けた。最後はアンデウソンの起死回生の三角締めで逆転負けを喫したのだが、あそこまでアンデウソンを追い詰めた者はこの5年間いなかった。試合後アンデウソンは、北京五輪柔道金メダリストの石井慧との練習中に投げられ腰を痛めていた、と明かしたのだが、それにしても……。

 岡見の勝機は、いかにアンデウソンの必殺の打撃をかいくぐって組みつき、そこからヒザやヒジを食らわずにテイクダウンできるかにかかっている。グラウンドで上を取れれば、あとは下からの三角締めや腕十字を警戒しつつ、パンチとヒジを落とし続ければいい。しかし、アンデウソンに組みつくこと自体が、至難の業なのだ。

「アンデウソンを衰え、岡見は逆に成長している。勝機は十分ある」

 それでも、岡見の特訓に付き合っているサネンは言っている。
「恐れず戦え。ヤツが両手をこっちの目の前で派手に動かす目くらましに惑わされるな。無視して懐に入り、パンチを口に叩き込め」と。

 調子が悪かったとはいえ、実際アンデウソンにパンチを叩き込み、何度もグラウンドに持ち込むことに成功したサネンが言うと、説得力がある。
 岡見は06年1月にハワイのランブル・オン・ザ・ロックという大会でアンデウソンと戦い、あの試合では禁じられていたグラウンド状態からの蹴り上げを受け、反則勝ちしている。これに関してもサネンは、
「あれはアンデウソンが思った通りのことが何もできず、イライラしたため反則を犯してしまったのだ」と言う。さらに、
「アンデウソンは以前より衰えているし、岡見は逆に成長している。勝機は十分ある」とも――。

 岡見がアンデウソンの地元ブラジルで、史上最強の王者を倒し、UFC初の日本人王者となるのか? なでしこジャパンが起こしたような、ミラクルに期待したい。

(稲垣 收 UFC解説者)

■詳しくはUFC WORLD(wowow.co.jp/ufc)へアクセス!
http://www.wowow.co.jp/sports/ufc/

◆◆◆ その他のWOWOW番組情報 ◆◆◆

★UFC史上初 日本人王者誕生か!〜岡見勇信 いざブラジルへ!〜
8月20日(土) 深夜 0:30 ほか

★独占生中継!UFC−究極格闘技−UFC134 王者アンデウソンvs岡見勇信タイトルマッチ!
UFC史上初の日本人王者誕生か!?アンデウソン・シウバvs岡見勇信 歴史的タイトルマッチ!!
8月28日(日)午前10:00〜[生中継]

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント