UFC初の日本人王者へ、岡見が史上最強王者に挑む
アンデウソンを最も追い詰めた男のもとで猛特訓
サネンのもとで猛特訓のもと、岡見(右)はミラクルを起こしてみせるか 【Zuffa LLC via Getty Images】
昨年8月のUFC117でのタイトル戦でサネンは、初回からアンデウソンに打撃をヒットさせ、全ラウンドでテイクダウンに成功し、グラウンド状態で上になってアンデウソンを殴り続けた。最後はアンデウソンの起死回生の三角締めで逆転負けを喫したのだが、あそこまでアンデウソンを追い詰めた者はこの5年間いなかった。試合後アンデウソンは、北京五輪柔道金メダリストの石井慧との練習中に投げられ腰を痛めていた、と明かしたのだが、それにしても……。
岡見の勝機は、いかにアンデウソンの必殺の打撃をかいくぐって組みつき、そこからヒザやヒジを食らわずにテイクダウンできるかにかかっている。グラウンドで上を取れれば、あとは下からの三角締めや腕十字を警戒しつつ、パンチとヒジを落とし続ければいい。しかし、アンデウソンに組みつくこと自体が、至難の業なのだ。
「アンデウソンを衰え、岡見は逆に成長している。勝機は十分ある」
「恐れず戦え。ヤツが両手をこっちの目の前で派手に動かす目くらましに惑わされるな。無視して懐に入り、パンチを口に叩き込め」と。
調子が悪かったとはいえ、実際アンデウソンにパンチを叩き込み、何度もグラウンドに持ち込むことに成功したサネンが言うと、説得力がある。
岡見は06年1月にハワイのランブル・オン・ザ・ロックという大会でアンデウソンと戦い、あの試合では禁じられていたグラウンド状態からの蹴り上げを受け、反則勝ちしている。これに関してもサネンは、
「あれはアンデウソンが思った通りのことが何もできず、イライラしたため反則を犯してしまったのだ」と言う。さらに、
「アンデウソンは以前より衰えているし、岡見は逆に成長している。勝機は十分ある」とも――。
岡見がアンデウソンの地元ブラジルで、史上最強の王者を倒し、UFC初の日本人王者となるのか? なでしこジャパンが起こしたような、ミラクルに期待したい。
(稲垣 收 UFC解説者)
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