リオン武インタビュー「僕はDREAMのチャンピオンになりますから」

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「ルミナさん、宇野さんは猪木・馬場みたいな存在」

憧れの宇野薫戦へ意気込みを語るリオン武 【(C)DREAM OFFICIAL WEB SITE】

──先月27日の記者会見では、宇野選手について「修斗を始めるキッカケとなった人」とおっしゃっていましたが、改めてリオン選手にとって宇野選手はどういった存在なのか教えてください

リオン 僕は99年5月に修斗10周年記念大会で佐藤ルミナvs.宇野薫を見て総合格闘技を始めようと思ったんですけど、その頃はまだ一ファンで、大会前から『格通』を見まくって「うわ〜とうとうルミナvs.宇野が決定したよ!」とか「どっちが勝つんだろう?」とか思っていたんですね。当時は僕、ルミナさんのファンで“ルミナー”でしたから(笑)、試合を見て「うぉ!? ルミナ負けた!?」とか思ったり、ほんといい思い出なんですよ。僕ら世代のシューターにとって、ルミナさん、マッハさん、宇野さんというのは憧れ。だから、いつまで経っても特別な存在なんです。

──リオン選手は5月の松本戦が終わった直後から「宇野選手と闘いたい」とアピールされていました。それは先ほどおっしゃっていた「勝ったもん同士でやっていく」という以外に、「憧れの選手と闘ってみたい」という動機もあったんですか?

リオン いや、そのときは単純に「勝ったもん同士でやったほうがいい」という理由だけで、そのとき勝った宇野さんかハンセン、なおかつ日本人同士のほうが盛り上がるので、宇野さんと僕がやったら面白いかなと。単純にお客さん目線で言っただけですね。それで試合が決定して、そのときに初めて「あっ、宇野薫とできるんだな。あの憧れの人と闘えるんだな」と12年前のファンの気持ちが蘇ってきたんです。だからもう素直に嬉しいんですよね、ここまで来れたんだなと思って。

──これまでは“闘う相手”としてはあまり意識されていなかった?

リオン 正直、これまでは闘う相手として意識したことはなかったですね。階級も違っていましたし、去年、宇野さんがフェザーに変えてもまだ意識はしていませんでした。僕はその前に宮田選手に負けて「もうこれ以上は無理かな」と思っていた時期だったので、「宇野さんと」なんて思ってもいませんでしたね。

──ファイターとしての宇野選手をどう評価されていますか?

リオン ウィッキー戦を見てもらえれば分かるように本当にイヤな選手ですよね(笑)。ウィッキーはいいところを出させてもらえなかったですから。僕は同じシューティングジム横浜でウィッキーの強さは知っていますし、しかもアメリカに行ってまた強くなっているし、正直、ウィッキーが勝つかなと思っていたんです。そうしたら完封されたので、改めて「宇野さんってやっかいな選手だな」と思いましたよね。多分、動物としては宇野さんよりウィッキーのほうが強いんですよ。そこを格闘技の技術、戦略で完封した。ほんとにすごいなって思いますね。あと、あの“しつこさ”。“しつこい”というのは武器ですから。“パンチが重い”とか“極めが強い”とかと同じくらい“しつこい”というのは武器なんですよ。

──もうちょっと詳しく教えていただけますか

リオン 例えば、一つの技が入りそうになったとするじゃないですか。そうなったときに、あまり頑張ると体力を使っちゃうので「ここはちょっとやめておこう」じゃなくて、ここと決めたらそれを続ける。バックキープとかも、一回バックを取ったら崩さないんですよね。

──スタミナを考えて違う展開にしようという感じではないんですね

リオン もちろんそれも戦略としてはありなんですよ。だって、そこで極められなければ、確かにスタミナはロスするわけですから。だから“しつこさ”は、武器ではあるんですけど、長所もあるし短所もある。でも、武器と呼ばれるものはなんでもそうなんです。パンチが重くても、それは長所ですけど、過信してもらうこともある。武器と呼ばれるものは全部、長所も短所もあるんだと思います。宇野さんは“しつこい”という武器がありますけど、もしかしたら僕との試合では、それが短所になるかもしれませんね。

──記者会見では笹原EPの「今後のフェザー級戦線を占う上で非常に重要な一戦」との言葉に対し、「あまり考えてないです。目の前の宇野さんを倒すだけで、先のことは言ってられないです」ということもおっしゃっていました

リオン いや、チャンピオンになるというのはもう、自分で決めているんですよ。今後、僕はDREAMのチャンピオンになりますので、だから今回改めてタイトルを意識するということはないんです。

──なるほど。タイトルについてはいつも意識していることだから

リオン そういうことです。この前の記者会見では「チャンピオンシップは意識していない」というふうに捉えられちゃったのかもしれないですけど、そうではないです。僕はチャンピオンになりますから。

──そのDREAMフェザー級のタイトルを争って行われた7月の高谷裕之vs.宮田和幸のタイトルマッチはご覧になりましたか?

リオン いや〜激アツでしたね! 会場で見ていたんですけど、「すんげ〜試合すんなぁ!!」と思って。基本、高谷選手の打撃か宮田選手のタックルかと思って見られていた方も多かったと思うんですけど、僕もやっぱりそう見ていて、「さすがに宮田さんのタックルは切れないんじゃないかなぁ。抑え込んで、やや宮田さんかな?」とか「でも、宮田さんのスタイルは疲れるので、後半に高谷さんが巻き返すかな?」とか思っていたんですけど、もうそういうのを越える試合でしたよね。そんなちっちゃい試合じゃなかった。最初に高谷選手がツカツカ歩いて殴りに行ったじゃないですか。あれやられると怖いですからね。

──物凄いプレッシャーでしたよね

リオン あれは怖いですよ。面食らうし、怖い。そして右も左もパンチが重いじゃないですか。ちょこちょこフットワークされるよりも、高谷選手にああいうふうに来られたほうが怖いんじゃないですかね。あれであの日の高谷選手の覚悟を見ましたね。

──昨年からフェザー級に転向する強豪選手も多く、先日、川尻選手もフェザー級転向を表明。今後さらにDREAMフェザー級戦線が熾烈になっていくと思います

リオン 面白くなってきましたね。川尻選手が落としてきてDREAMのフェザーの中に入ってきたら、これはファンとしては面白いんじゃないかと思います。

──笹原EPは、今回の宇野薫vs.リオン武の勝者と川尻達也vs.ヨアキム・ハンセンの勝者がその次の大会以降で当たる可能性も示唆しています

リオン さっきも言いましたけど、勝ったもん同士がやるのが分かりやすいと思うんですよね。でも、川尻選手はいきなり上に行ってもいい選手だと思いますけどね。僕らと一緒にトーナメントを闘う選手ではないんじゃないかなと。スーパーシードでいきなりチャンピオンシップでもいいくらいだと思いますけどね。それくらい川尻選手のライト級での実績はすごいものがありますから。でも、お客さん的には段階も見たいでしょうからね。僕と宇野さんとの試合も、前回の試合でお互いに勝っているから見たいと思ってくれるわけで、これが5月にやるのとは全然違いますから。そういった流れ、ストーリーは大事だと思います。

──なるほど。それでは最後に改めて宇野戦に向けての意気込みを聞かせてください

リオン 今回のインタビューで何度も言っていますけど、やっぱり分かりやすいのがいいので、一番分かりやすいKO勝ちを狙いたいですね。佐藤ルミナ、宇野薫、その両選手をKOした日本人はいないので、その第一号になります。そう、アントニオ猪木、ジャイアント馬場の2人からピンフォールを奪った唯一の日本人、天龍源一郎のように。

──おっと! 最後の最後にそんな素敵な例えを用意していましたか!(笑)

リオン ハッハハハハ! 今の格闘技ファンにはさっぱり伝わらないと思うんですけどね(笑)。まあでも、ルミナさん、宇野さんは、修斗で言ったら猪木・馬場みたいな存在ですから。天龍さんは、反則やリングアウトではなく、ちゃんとピンフォールで勝っていますからね。だから僕も、判定ではなく、しっかりKOで勝ちたいと思います!

FIGHT FOR JAPAN『DREAM.17』

9月24日(土)さいたまスーパーアリーナ 開場15:00 開始16:00

<DREAMバンタム級(−61キロ)世界トーナメント1回戦 5分3R>
所英男(日本/リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
アントニオ・バヌエロス(米国/ピット・ファイト・チーム)

<DREAMバンタム級(−61キロ)世界トーナメント1回戦 5分3R>
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/レボリューション・ファイトチーム)
大塚隆史(日本/AACC)

<DREAMバンタム級(−61キロ)世界トーナメント1回戦 5分3R>
今成正和(日本/チーム・ローケン)
エイブル・カラム(米国/Cullum Ground Fighting)

<DREAMバンタム級(−61キロ)世界トーナメント1回戦 5分3R>
ユサップ・サーデュラエフ(ロシア・ダゲスタン共和国/Uflacker Academy)
ホドルフォ・マルケス・ディニス(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)

<DREAMフェザー級(−65キロ)ワンマッチ 5分3R>
宇野薫(日本/UCS)
リオン武(日本/シューティングジム横浜)

<DREAMフェザー級(−65キロ)ワンマッチ 5分3R>
川尻達也(日本/T−BLOOD)
ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/ヘルボーイ・ハンセンMMA)

<DREAMライト級(−70キロ)ワンマッチ 5分3R>
青木真也(日本/パラエストラ東京/Evolve MMA)
ロブ・マックロー(米国/ハンティントン・ビーチ アルティメット トレーニング センター)

<DREAMライト級(−70キロ)ワンマッチ 5分3R>
北岡悟(日本/LOTUS)
ヴィラミー・シケリム(ブラジル/ノヴァウニオン)

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