テニスコートから届いたサポート=ウォズニアッキ、ジョコビッチが示した日本への思い
ジョコビッチは連日メッセージを発信
ソックスに書かれた「JAPAN」の文字。ジョコビッチは連日メッセージを発信した 【Getty Images】
「僕が今回やったことは、本当に小さなことだと分かっています。それでも日本の方々に、『あなたたちは一人ではない。世界中が助けようとしている』ということを知ってもらいたかったんだ」
普段はひょうきん者として知られるジョコビッチが、表情を引き締め、そう口にする。
彼のメッセージ発信は、その後も連日のように行われた。
ある時は、片側のソックスに「JAPAN」の文字、反対側のソックスにハートマークを描くという形で意思表示。さらに準決勝の試合中は、ジョコビッチのファミリーボックスの前に、黄色い折り鶴が並べられていた。スタッフの娘が折り紙を習っていたために、折り鶴が平和の象徴だということを知った上での行動だった。
折り紙……というセンシティブな手法が照れくさかったのだろうか、それとも、異国文化を用いての意思表示にどこか自信が無かったのだろうか。折り鶴について聞いてみると、ジョコビッチは顔を赤く染めほほ笑みながら、「僕のスタッフのアイデアなんだ。大切なことは、継続的にメッセージを発信し続けることだと思って」と真意を語ってくれた。
シャラポワ、ナダル……次々と支援表明をする選手たち
ほかにもラファエル・ナダル(スペイン)やロジャー・フェデラー(スイス)らをはじめ、多くの選手が哀悼の意を表し、チャリティオークションやイベント実現のため力を貸してくれていると聞く。様々な環境で生まれ育ち、世界中のあらゆる土地を訪れ種々雑多な文化や人々に触れてきた彼、彼女たちだからこそ、悲しみの共有は深く、復興への願いは強い。
「世界が、あなたたちのことを思っている」――普段なら、やや面はゆく感じるであろうその言葉が、素直に心に落ちてきた。
<了>