ダン・ヘンが王座奪取、マヌーフは米兵戦士に1R敗戦=3.5ストライクフォース

MMAPLANET

マルースが辛くも女子王座防衛に成功

<ストライクフォース女子世界ウエルター級選手権試合/5分5R>
[王者]○マルース・クーネン(オランダ)
(4R1分29秒 三角絞め)
[挑戦者]●リズ・カモーシェ(米国)

 ミーシャ・テイトの負傷により、代役リズ・カモーシェの挑戦を受けることとなった世界女子ウエルター級王者マルース・クーネン。まずは左ローを見せたマルース。カモーシェのローにパンチを合わせようとする。右ローから、右ストレートをヒットさせたマルースだが、深追いはしない。

 ローを連続で蹴り込み、カモーシェが前に出てくると右を打ち込む王者が立ち上がりのペースを掴む。カモーシェのローに再び、ローを蹴り込んだマルースは、テイクダウンにいくしぐさは見せない。振りの大きなマルースのパンチを冷静にかわすカモーシェもローを受け続ける。

 距離を詰めて組みついたマルースは首相撲の態勢になるが、逆にケージへと押し込まれる。体勢を入れかえ続ける両者。踏みつけ繰り返したが動きは少ない。ここでレフェリーはブレイクを命じ、試合はスタンドで再開。左ローから左ジャブ、左ハイを見せたマルースだが、ハイの距離は合っていない。

 残り時間僅かとなった時点で、マルースの前蹴りに負けじとカモーシェが組みついたところで初回終了。右目の下を腫らした王者は、引き続きローを続ける。ショートフックを振るいながら真っ直ぐ下がるにマルースに組みついたカモーシェ。ケージに押し込もうとするが、直後にマルースが体勢を入れ替える。

 マルースの首相撲に低い姿勢でダブルレッグを仕掛けたカモーシェは、ギロチンに合わせてテイクダウンに成功。クローズドガードを取るマルースはケージを蹴って腕十字へ。これを引き抜いたカモーシェが、重いパウンドを2発打ち抜く。足を払ってパスに成功したカモーシェがサイドからヒザをボディーに蹴り込む。

 カモーシェがマウントへ移ろうとするところで、マルースがヒールフックを見せる。これを察知したカモーシャがマウントへ。そのままパウンドを連打するカモーシェ。王者の動きが止まる。シザースを潰されたマルースは、残り20秒、パウンドを受けたままラウンド終了を待った。

 3R、すぐに組みついたカモーシェ。ケージ際で一度、二度と体勢を入れ替える。エルボーを見せた王者にカモーシェは構わず胸を合わせていく。互いに姿勢を崩しそうになりながら、ケージを背に耐える攻防が続くと、カモーシャがテイクダウンからサイドへ。

 カモーシェが再びマウントを奪う。残り2分、マルースはブリッジ、シザースが潰されてしまい、パンチを受ける。カモーシェがマルースの右腕を取ってパウンドを落す。胸の上に乗って万全の体勢からパンチを落すが、やや勢いがない。残り20秒、回転数が上がったカモーシェのパウンドだったが、ここでも王者はタイムアップまで耐えきった。

 4R、すぐに組みついたカモーシェだが、上を取ったのはマルース。カモーシェのラバーガードを抜け、立ち上がってローを蹴り込もうとしたところ、シッティングからシングルレッグを仕掛けられた。またもテイクダウンを奪われたマルースだったが三角絞めへ。体重を浴びせて隙間を作ろうとしたカモーシェに対して、巧みに体を横向きに入れ替えて足を組み直し、タップを奪った

 試合後、マルースは「みんなに彼女のことを心の底から尊敬してほしい。彼女は将来のチャンピオンだわ。ストライクフォースに、女子MMAの試合を組んでくれて感謝しています」と、ホッとした表情を浮かべた。

マスヴィダルが3年1カ月振りの白星

<ライト級/5分3R>
○ホルヘ・マスヴィダル(米国)
(判定3−0)
●ビリー・エヴァンゲリスタ(米国)

 ローから左、右と伸ばし前に出るエヴァンゲリスタに対し、距離を伺っていたマスヴィダルは蹴りをキャッチしてテイクダウンへ。すぐに立ち上がったエヴァンゲリスタとケージ際で一度、二度と態勢を入れ替え、互いにヒザをボディーに突きあげる。

 距離を取りパンチを放つマスヴィダルにエヴァンゲリスタがテイクダウンを奪う。首を抱えた状態で尻餅をついたマスヴィダル。ケージを利して立ち上がるも、エヴァンゲリスタにエルボーを打ち込まれる。

 2R、組み合ってヒザをボディーに突きあげながらテイクダウンを狙うエヴァンゲリスタに、マスヴィダルは小手投げの要領で耐えてスタンド戦をキープ。

 左ロングフックを伸ばすマスヴィダルは、前に出てきた相手にテイクダウン。スコアリングを念頭に入れているのか寝技にはこだわらず、すぐにエヴァンゲリスタを立ち上がらせる。

 エヴァンゲリスタは遠い距離から飛び込んで組みつこうとするが、マスヴィダルにスプロールされてしまい、リーチ差からか得意の打撃戦を挑むことができない。残り90秒で再びテイクダウンを奪ったマスヴィダルは、立ち上がりかけた相手を肩に担ぎ上げれダブルレッグで連続テイクダウンに成功。

 それでも立ち上がったエヴァンゲリスタのパンチをノーガード+ヘッドスリップでかわすマスヴィダル。余裕を見せているがローは受けている。試合は最終回に入っても、前に出てくるエヴァンゲリスタをマスヴィダルがいなす展開。そして、リーチをいかして単発のジャブ、ストレートを入れるマスヴィダルに対し、パンチが届かないエヴァンゲリスタが組みついていく。

 テイクダウンには至らないが、ケージ際でアッパーを打ち込んだエヴェンゲリスタ。しかし、マスヴィダルの右を受ける。残り2分半を切り、パンチをよけてから組みついたマスヴィダル。バックに回り込むが自ら距離を取る。エヴァンゲリスタは大振りのフックがかわされ、一発を当てても下がるマスヴィダルにへの追い足が鈍い。

 左ジャブを打ち込むマスヴィダルは拳を振り回しながらケージに押し込む。首相撲からエヴァンゲリスタもヒザを蹴り込むが、ダメージを与えることはできない。マスヴィダルは果敢に前に出るエヴァンゲリスタの攻撃をかわして、単発の打撃、そしてテイクダウンで試合をリード。ジャッジ3者が30−27をつける完璧な試合展開を見せて、3年1ヵ月振りのストライクフォースでの白星を挙げた。

米兵ケネディがマヌーフを1Rチョーク葬

<ミドル級/5分3R>
○ティム・ケネディ(米国)
(1R3分41秒 リアネイキドチョーク)
●メルビン・マヌーフ(オランダ)

 距離を取り、前蹴りを見せるマヌーフ。前に出て、ジャブのフェイントからシングルレッグを見せたケネディだが、マヌーフは背中を見せて足を引き抜いてスタンドをキープする。徐々にケネディにプレッシャーを与えるマヌーフは、再びテイクダウン狙いをカットする。そしてケネディのローを掴んで、右フックを打ち込んだ。

 マヌーフの右ローで、バランスを崩し、キャンバスに倒れ込んだケネディ。米軍スペシャルフォース出身者も、マヌーフのローで体が捻じれる。それでも、遠い距離からダブルレッグで組みつきドライブ。小手を効かせて耐えるマヌーフをついに後方へ倒し、テイクダウンに成功する。直後にマウントから、バックマウントへ移行したケネディが、パウンドを落していく。背中が伸びたマヌーフは頭を抱えて耐えようとするが、ケネディはここでリアネイキドチョークへ。

 腰を浮かせて耐えるマヌーフだったが、しっかりと腰を潰されると静かにタップした。「マヌーフはMMA界で飛び抜けたストライカーだ」と言った勝者は、ローキックが如何に効いたか、足をくねらせおどけた仕種を見せる。次戦でロビー・ローラー戦を望むと同時に、再び戦場に赴くことをファンに伝えた。「この国の人々を守ることが一番の仕事だ」という言葉とともに、観客に敬礼しケネディはケージを後にした。

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