ヴィクトワールピサ文句なしV! ドバイへ視界良好=中山記念

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ドバイへ向けて好発進! ヴィクトワールピサが今年初戦のGII中山記念を快勝 【スポーツナビ】

 “世界制覇”へ視界良し――。27日の中山競馬第11レースでは、古馬伝統の中距離重賞・第85回GII中山記念が芝1800メートルで行われ、昨年のGI有馬記念馬でミルコ・デムーロが騎乗した圧倒的1番人気ヴィクトワールピサ(牡4=角居厩舎、父ネオユニヴァース)が優勝。後方追走から4コーナー大外一気の捲りを決めると、小牧太騎乗の4番人気キャプテントゥーレ(牡6=森厩舎)に2馬身半差をつける快勝で、世界最高賞金額のGIドバイワールドカップ(現地時間3月26日、ドバイ・メイダン競馬場2000メートル・オールウェザー)に向けて大きな弾みをつけた。良馬場の勝ちタイムは1分46秒0。

 なお、2着キャプテントゥーレからハナ差の3着には武豊騎乗の3番人気リーチザクラウン(牡5=橋口厩舎)が入線。このレースが現役最後の競馬となった池江泰郎調教師の送り出した内田博幸騎乗の2番人気リルダヴァル(牡4=池江郎厩舎)は6着に敗れた。

じっくり後方待機から4コーナーで末脚爆発!

4角捲りから最後の直線ではアッという間に先頭へ 【スポーツナビ】

 文句なしの“壮行会”だった。積極策で女王ブエナビスタを撃破した昨年暮れの有馬記念とは打って変わって、この日は後方4番手からのレース。
 「休み明けだったせいか、ちょっとテンションが高かったので、強いストレスをかけたくなかった。だから、リラックスさせるために様子を見ながら少し後ろから進めていきました」
 この日の騎乗でいったん短期免許が終了するデムーロが、今回の待機策をとった経緯を振り返った。キャプテントゥーレが引っ張る平均ペースの中、馬群の外で折り合いに専念。「レースを進めるうちに少しずつ良くなっていった」と、3コーナーから徐々に進出を開始すると、4コーナー手前から大外を一気にスパート。まさに“ブン回す”という表現がピッタリ来る操縦だったが、当のデムーロとヴィクトワールピサは涼しい顔だ。

 「前走の有馬記念と違って今回は距離が短いレースだったので、早めに行きました。手応えもすごく良かったですし、そんなにキツい競馬ではなかったですよ(笑)」

ウオッカ超えの可能性も十分――さあ世界が待っている

ドバイでもこの光景が見たい! 【スポーツナビ】

 上がり3ハロン33秒9、津波のような豪脚でアッという間に先輩皐月賞馬のキャプテントゥーレを飲み込むと、あとはグイグイ後続を突き放す。今年初戦、そして本番へのひと叩きとしてはお釣りが来るくらい文句なしの競馬で、いざドバイへと名乗りを挙げた。
 「ドバイがとても楽しみになりました。今のところ課題はないですし、ヴィクトワールピサはとても強い馬ですから、僕たちで全力を尽くして、ドバイでも頑張りたいです」とデムーロ。角居調教師も「あとは元気な状態でドバイへ行けるように調整していきたい」と、自信を深めた様子だ。

 この後は3月3日に検疫厩舎に入り、9日にドバイへ向けて出発。昨年はウオッカが直前のアクシデントで引退となり悔し涙を飲んだ角居厩舎だったが、今年はその女王を上回る可能性も秘めた新エース・ヴィクトワールピサで、“世界制覇”に挑戦する。

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