山本KIDの後輩、福田力が初参戦=UFC127見どころ
ウェルター級王座返り咲きを目指す“天才”BJ
ウェルター級王座返り咲きを目指すBJペン 【(C)NAOKI FUKUDA】
UFCでウェルター級とライト級の2階級を制覇した“天才”BJ・ペン。しかし昨年4月にヘンゾ・グレイシーの弟子のフランク・エドガーと対戦した際は、こきざみにフットワークを使って動き続けるエドガーに、小さなパンチをコツコツ当てられてポイントを稼がれ、3−0の判定でライト級王座から陥落してしまった。8月の再戦でもやはり同じ結果に終わり、「ライト級では無敵」と呼ばれた“BJ神話”も終焉を迎えたかに見えた。
だが、昨年11月のUFC123では心機一転して1年10カ月ぶりにウェルター級に戻し、そこまで1勝1敗の宿命のライバル、マット・ヒューズとのラバーマッチに臨んだ。そして、桜井“マッハ”速人や“UFCレジェンド”のホイスやヘンゾらグレイシー 一族にもTKO勝ちしたヒューズを、わずか21秒であっさりKOしてのけたのである。阿修羅のごとく強いBJが帰ってきた瞬間だった。
GSP敗戦後5連勝中のフィッチ
無尽蔵のスタミナと無類の打たれ強さでGSPと5R戦い抜いたフィッチ 【(C)NAOKI FUKUDA】
アメリカン・キックボクシング・アカデミー(AKA)に所属し、同門には現UFCヘビー級王者のケイン・ベラスケスやジョシュ・コスチェックらレスリングの名手がいるフィッチは、柔術はヒクソン・グレイシーの弟子のデイヴ・カマリロから指導を受け、柔術黒帯を授けられている。また、立ち技は同ジム会長のハビアー・メンデスらから教わっているが、AKAにはBJもかつて練習に訪れていたことがあるため、BJの癖や気質をよく知るメンデス会長が、徹底したBJ対策を授けてくるだろう。
したがって、もしBJがフィッチを甘く見て練習を怠るようなことがあれば、いくら柔術世界王者で比類ないパンチの才能も持つ元2階級王者といえども、足をすくわれかねない。ウェルター級で王座返り咲きを目指すBJにとって今回のフィッチ戦は、王座奪還が可能かどうかを測る物差しとなる試合と言えるだろう。
KIDの後輩・福田の相手はTUF出身のスター候補生
UFC初戦を勝利で飾ることができるか!? 【(C)Photo Courtesy of UFC】
相手はカナダのニック・リング。『ジ・アルティメット・ファイター ミドル級ウォーズ』で優勝候補だったが、ヒザの負傷で途中リタイアした選手で、GSPとも練習しているので、決して侮れない相手だ。前回のUFC126では先輩の山本KIDが判定負けし、UFC黒星デビューとなってしまっているので、ぜがひでも勝利を掴みたいところだ。金網に囲まれたオクタゴンにはイージーな相手など誰1人いないが、ここは福田の奮起を期待したい。
(文:稲垣 收/WOWOW UFC解説者)
◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆
★「UFC―究極格闘技― UFC127 BJ・ペン 復活への第二章」
2月28日(月) 夜 6:45 [HV]
3月5日(土) 深夜 3:40 [リピート放送]
<主な対戦カード>
ウェルター級: BJ・ペン(アメリカ) vs ジョン・フィッチ(アメリカ)
ミドル級: 福田力(日本) vs ニック・リング(カナダ)
★「UFC登竜門 ジ・アルティメット・ファイター ライト級サバイバル」
毎週 火曜日 深夜帯 [HV]
(※最終話 4月12日(火)深夜0:55 [HV])
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