小平奈緒「ソチ五輪で頂点を目指すための1年」=五輪銀メダリストの新シーズン

高野祐太

目標はたくさんの人に何を伝えられるかということ

バンクーバー五輪の女子チームパシュートで穂積雅子(右端)、田畑真紀(左端)とともに銀メダルを獲得した小平奈緒(中央) 【Getty Images】

――スポーツ以外でインスピレーションを受けるものはありますか?

 ドラマとかで女優さんを見ていると感じることがあります。周りに伝えたいこととか、自分を表現することとか、共通する部分があると思うので。気持ちを込めて、表面だけの演技をしないところがスケートにもつながると感じていて、ホントにすごいなと思う。
 同い年の上野樹里さんとかが好きです。いろんなジャンルのドラマをやっていて、そのギャップがすごい。次の大河ドラマにも出ますね。誕生日も1日違いなので、すごい親近感を持ってみています。

――そういう気持ちというものが、小平さんの気持ちともリンクするんでしょうね

 スケートだけ速くなりたいんじゃなくて、それでたくさんの人に何を伝えられるかということを一番の目標にしています。金メダルを取ることだけじゃなくて、そのことで人の心を動かせたらいいですね。子どもたちに夢を与えられたり、大人の人も前向きに考えられるようになったりって。

――最近ハマっていることは?

 最近はアロマにハマっていて、いろんな香りを楽しんでいます。リラックス系とか気持ちが集中できるものとか、いろいろ試しています。部屋にはグリーンアップルとかですかね。甘酸っぱい感じです。

――普段の食事はどうしていますか?

 一人暮らしを始めた高校2年から、大学1年のときを除いてずっと自炊しています。得意というよりアスリートとしての自分のためにやっています。夏は特に多くタンパク質を取ったり。基本はバランス良く、偏食しないように心掛けています。

――得意料理は?

 うーん、オムライスかな。小学4年から作っています。卵をフワッとさせるのは自信がありますよ。

<了>

トップアスリートに聞く

◆印象に残っている大会は?

 今のところは、(12位に終わった)バンクーバー五輪の500メートルです。ここで成長できるきっかけと、今までにない敗北感や悔しさを感じたので。私にとってのジャンプ台になっています。(もっとやれたという思いもあったんですね?)はい。人間としての弱さが出ました。でもそれは後から振り返れば、成長するきっかけになった大切なレースでした。

◆スケートが大好きで、一日中スケートのことを考えているくらいということですが、スケートの魅力はどこにあるでしょうか?

 滑っているときの風を切る感じがいいですね。あと、いろんな人との巡り合いがあります。応援してくれる人だったり、一緒に戦う選手だったり、国を越えて、顔も名前も知らない私に声援を送ってくれたりします。政治で見られるような社会のゆがんだ面に影響されない純粋なものがあります。本当に生きていく上で楽しいと思います。

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著者プロフィール

1969年北海道生まれ。業界紙記者などを経てフリーライター。ノンジャンルのテーマに当たっている。スポーツでは陸上競技やテニスなど一般スポーツを中心に取材し、五輪は北京大会から。著書に、『カーリングガールズ―2010年バンクーバーへ、新生チーム青森の第一歩―』(エムジーコーポレーション)、『〈10秒00の壁〉を破れ!陸上男子100m 若きアスリートたちの挑戦(世の中への扉)』(講談社)。

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