「欧州vs.南米の図式はそろそろ覆される」=北澤豪氏が予想するクラブW杯の展望<後編>
過去5大会よりは番狂わせが起きる可能性が高い
クラブW杯は来年再び日本での開催となる。北澤氏は「開催国として世界のサッカーを体感できることはサッカー界の発展につながる」とその意義を話す 【スポーツナビ】
確率的にはやはり欧州と南米の対戦の可能性が一番高いと思います。ただ、今までの大会よりは欧州王者の状態が良くないので、波乱の期待はあるのかなと。
W杯でも日本や韓国が決勝トーナメントに進出したりして、FIFAの中でアジアの評価が良くなっているんで、そろそろ欧州vs.南米という図式が覆される時が来たのかなとも思います。それでもインテル対インテルナシオナルの決勝がやはり見たいですね(笑)。
――準決勝も面白い試合が期待できそうですね
そうですね。インテルもインテルナシオナルもチームとしてきちんと戦わないと何が起こるかは分からないですね。今までよりは番狂わせが起きる可能性は高いと思います。
――それでは最後の質問です。2022年のW杯招致は成功しませんでしたが、クラブW杯は来年また日本に戻ってきます。クラブW杯のような世界大会を日本で開催する意義というのはどういうところにあるのでしょう?
開催国で世界のサッカーを体感できることはサッカー界の発展につながりますよね。Jリーグやさらに下のカテゴリーでプレーする選手も大会を間近で見られるというのは大きなことだと思います。
2022年W杯の招致はできなかったけれども、世界大会を運営していける国だということは、女子W杯やU−20W杯など、そういう大会をやっていけるという1つの指標となるわけだし、サッカーの発展を考えると必要なことだと思います。
あとは毎年この大会に出るためにACLを勝ち抜かないといけないので、ACLの価値を高めることですね。それでJリーグが活性化すること。その効果は今でも出ているわけだし、今後もそれを続けていかないといけないと思います。
ガンバ大阪とマンチェスター・ユナイテッドが戦ったり、浦和レッズがミランと戦ったり、ああいうのは見たいと思いますよね。今大会も日本勢が出ていたらけっこうチャンスがあったと思うんですよ。2大会連続で日本のチームが出場できなかったのは本当に残念です。
――できれば開催国枠じゃなく、ACLで優勝して出場権を取ってほしいですね
やっぱりそうですね。そうしないとACLの存在自体が薄くなってしまうので。日本の意識が欧州に飛びがちなんで、アジアにも目を向けていくという流れはちゃんと持っていないといけないと思います。特にアジアのリーダーとしてはそういうことをしっかりやらないといけないですね。
<了>
(協力:FIFAクラブワールドカップ事務局)