名城信男、原点回帰で王座奪還を誓う!

北浦勝広

名城が原点回帰で王座奪還を宣言、弟とのWチャンピオン構想や将来の夢についても語ってくれた 【北浦勝広】

 5月8日のWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチで、ウーゴ・カサレス(メキシコ)に惜しくも判定負けした名城信男。「うまく研究されてしまった」と反省し、「『チャンピオンになってから荒々しさが消えた』と言われる」ことを踏まえ、原点回帰で王座奪還を宣言。さらにK−1やKrushに出場する弟・名城裕司とのWチャンピオン構想も! そして「ラスベガスに行かなければいけない理由(わけ)がある」という真意など、将来の夢についても語ってくれた。(取材日/8月27日)

「3度目のチャンピオンに返り咲くことを考えてます」

防衛戦で敗れたカサレスとは再戦を望んだ 【北浦勝広】

――白浜へ1泊2日の旅行に行ったそうで?

 ジムの選手、トレーナー、会長と一緒に行ってきました。ジムとして初めてです。キャンプではみんなであちこちに行くことはありますが、試合の関係で、なかなかみんなが同時に休めないので。だから旅行としては、初めてですね。枝川(孝)会長が企画してくれたんです。20名ほどです。海水浴をして、温泉に入って。すごく楽しかったです。いい休養にもなりました(笑)。あっという間に時間が過ぎました。また行きたいですね(笑)。年に1回ぐらいは、みんなと旅行に行けるようになればいいですね。

――本題に移ります(笑)。5月8日のカサレス戦、試合中のイメージは?

 2試合連続でカサレス戦だったんですが、うまく戦い方を変えられて、自分のことをしっかり研究されてしまったな、というのが正直な気持ちです。戦いながら、「前と違うな」「うまく戦われてるな」「距離が遠いな」という感じでした。残念ですが、そこが敗因ですね。

――負けが分かった時の心境はいかがでした?

 悔しかったですね。自分にとって大事な試合だったんで、本当に悔しかったです。能力的には勝てる相手だったので、そんなに大きな差はなかったはず。キャリアと戦い方の組み立て、展開……そういったところで負けたのが悔しかったですね。

――またカサレスと戦いたい?

 そうですね! チャンスがもらえるなら、もう一度戦いたいですね。雪辱をしたい。「次こそは」という気持ちです。

――もう気持ち的には立ち直りましたか?

 まだ悔しさはあります。でも、いつまでも悔しい、悔しいって言ってられないんで。次を獲りに行くことを考えないと。3度目のチャンピオンに返り咲くことを考えてます。3度チャンピオンになったのは、輪島(功一)さんと辰吉(丈一郎)さんしかいない、ということなんで。そういう少ないチャンピオンの仲間入りができれば、と思っています。何としても、もう一度チャンピオンに返り咲こうと強く思っています!

「ボクサーである限り、海外で戦うのは夢」

「昔の荒々しいスタイルを取り戻したい」とトレーニングにも熱が入る 【北浦勝広】

――練習の再開は?

 7月ぐらいには再開していました。本格的に。

――海外に行っておられたとか。

 メキシコに行ってきました。練習と旅行を兼ねて。練習をしたり、試合を観に行ったり。もし次に世界タイトルマッチがメキシコで行われても、いいように視察がてら。メキシコという国を見てみたかったんです。2週間弱行って、かなり充実した期間になりました。

――何か体感しましたか?

 ジムで毎日のように練習をしたんですが。メキシコの技術は、日本とは違うんです。基本が違って、難しさもありましたね。リズムと形が違うんです。口で説明するのは難しいんですが……。例えばガードをしめて打つ打ち方とか、フックの打ち方だったり、腰の回し方だったり。マネができるところは、マネしたいと思っています。日本のボクシングが体に染みついてるんで、基本から教えられると戸惑うんですよね。うまくいかないんですが、逆にそれが面白くて(笑)。いい勉強になりました。頭を柔らかくしないとな、と感じてます。良いところはドンドン取り入れていきます!

――練習方法の違いはありましたか?

 ドラム式ミットといって大きな両手で持つミットを使って、より強いパンチを一発一発たたき込んで、形を確かめるんです。ドラム式ミットぐらいですね、日本と違うのは。

――ホームページ、ブログのタイトルに「ラスベガスに行かなければいけない理由(わけ)がある」とあります。

 今回の敗北で、少し遠のいてしまったんですが……。ボクサーである限り、海外で戦うのは夢。誰もが見ていると思う。そういう舞台に立ってみたい。こういうことを口に出して言うのが大切なんです。まだ日本人ボクサーでラスベガスで活躍した選手は、そんなにいないと思う。国内で世界タイトルマッチは多いけれど、海外でタイトルマッチを戦って、防衛していくような選手になることが夢なんです。いつか、そういう選手が出てくればいいな、と思いますよね。

――「後輩たちのために、道を作りたい」という意味ですか?

 そこまで大きなことは……(笑)。もちろん自分であればな、というのはありますが。2度チャンピオンになれて、3度のチャンピオンになることは夢であり、目標なんですが。ラスベガスに限らず、海外で戦ってみたいな、というのはあります。海外でもベルトを獲りに行くつもりで、準備はしておきたいと思っています。

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