インテルナシオナル、南米王者への厳しい道のり=2度目のコパ・リベルタドーレス制覇

2度目の南米制覇

インテルナシオナルが2度目の南米王者に輝いた 【写真:AP/アフロ】

 2010年コパ・リベルタドーレスは、ブラジルのインテルナシオナルがメキシコのチーバス・デ・グアダラハラとの激しい決勝を2連勝で制し、2度目の優勝を果たして幕を閉じた。この結果、インテルナシオナルは12月にUAE(アラブ首長国連邦)で行われるクラブワールドカップ(W杯)に南米代表として出場する。偶然にも、欧州代表はイタリア・ミラノに本拠地を置くインテルとなり、2大大陸から“インテル”が出そろった。

 だが、ポルトアレグレのインテルは、典型的なブラジルの特徴を持つチームではない。ブラジル南部に位置するこのガウショ(カウボーイ)の地は広大な国土にあって、母国よりも近隣のアルゼンチンとウルグアイの影響を多く受けている。
 インテルナシオナルはさほど遠い昔ではない06年、コパ・リベルタドーレスで初優勝した。そして、その年のクラブW杯ではフランク・ライカールト率いるバルセロナを倒して世界一に輝き、世界を驚かせた。

 クラブW杯の前の次なる目標として、インテルナシオナルは現在、カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジルで最も権威あるリーグ戦)での優勝を目指している。1979年以来、タイトルから遠ざかっているからだ。この時は、パウロ・ロベルト・ファルカン、バティスタ、チリ人のエリアス・フィゲロア、GKラウル、FWマウロ・セルジオといったタレントを擁していた。

アルゼンチン人選手も優勝に貢献

 コパ・リベルタドーレスの優勝トロフィーを獲得するにあたっては、DFのインディオ、ボリバール、MFのティンガ、FWのラファエル・ソビスといった選手たちが鍵を握った。また、ジウリアーノ、ファビアーノ・エレール、クレベール、サンドロ(コパ・リベルタドーレス決勝後にトッテナムへ移籍)、アレサンドロ(スポルティング・リスボンでプレーするのではと言われる)、GKレナンの力も大きい。

 さらに、アルゼンチン人選手も優勝に貢献した。アンドレス・ダレッサンドロはキャリアをスタートさせたリバープレートからドイツ、イングランド、スペインのクラブを渡り歩き、サン・ロレンソを経て、08年にライバル国ブラジルに新天地を求めた。ひところはその才能を持て余していたが、インテルナシオナルで居場所を確保し、ついにはアルゼンチン代表に返り咲くに至った。また、MFパブロ・ギニャスはフィジカルを生かして、各試合でファイティングスピリットを見せた。

 ベテランGKのロベルト・アボンダンシエリはボカ・ジュニアーズ時代、国内外で数々のトロフィーを獲得。定位置を失って今年に入りインテルナシオナルに加入したが、ここでもレナンの前に正GKの座は獲得できずにいる。

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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