セリーナ以外は意外な顔ぶれ 女子4強が決まる=ウィンブルドンテニス 第8日

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ウィンブルドン第8日 第21シードのズボナレワがクライシュテルスに逆転勝ち。ウィンブルドンでは初の準決勝進出を決めた 【Getty Images】

 テニスのウィンブルドン選手権第8日は29日、英国・ロンドン郊外のオールイングランド・クラブで女子シングルス準々決勝などが行われ、女子のベスト4が決まった。意外な顔ぶれである。第1シードのセリーナ・ウィリアムズ(米国)は残ったが、第2シードのビーナス・ウィリアムズ(米国)はノーシードのツベタナ・ピロンコバ(ブルガリア)に敗れ、第8シードのキム・クライシュテルス(ベルギー)も第21シードのベラ・ズボナレワ(ロシア)に逆転負け。ノーシード同士の対決では、かつてトップ20にいたカイア・カネピ(エストニア)が無名のペトラ・クビトバ(チェコ)にマッチポイントを握りながら大きな星を落とした。

中国勢初Vの期待がかかったリだったが……

 惜しかったのは、中国勢初優勝の期待もかかったナ・リだ。立ち上がりから得意のフォアハンドでセリーナを驚かせ、深く際どく決まるショットの応酬に観客も満足気な拍手で評価した。中でも、互いにサービスゲームをキープして迎えた第10ゲームは見応えがあった。セリーナが3本のサービスエースを決めると、そこからリがバックハンドのリターンエース、打ち合いからのフォアハンドのストレートをたたき込んで40−30。セリーナが4本目のサービスエースを弾いてここをキープした。続く第11ゲーム、リはサービスエースからフォアのウイナーで簡単に40−0まで持っていった。ここから突如、崩れた。凡ミスにダブルフォールトを重ねてジュースに入ると、再びダブルフォールト。こうした穴を女王セリーナが見逃すはずはなく、ブレークして先手を奪った。

 セリーナに余裕を持ってポイントを回されると、挑戦する側は弱い。リのせっかくのショットが分断され、精神的に追い込まれて第5、第7のサービスゲームを崩れるように落とした。2人は今年の全豪の準決勝でも対戦し、リは7−6、7−6で競り負けた。こうした緊張感のあるゲームを積み重ねれば、勝機は訪れるだろう。メンタリティーの勝負だった。

クライシュテルス、ビーナスらメンタルが勝敗を分けた

 レベルが上がるほど、テニスはメンタルが明暗を分ける。クライシュテルスは悪い癖が出た。勢いをつなげられずに展開が長引くとショットが守りに入り、そこから切り替えすことができない。ズボナレワはビッグタイトルこそないが、ツアー10勝の実績から、その辺を心得ていた。じっくり後半勝負に出たのが成功した。

 また、20歳の左利き、クビトバがノーシード同士の対戦でベテランのカネピを下した。カネピは第1セットを先取し、第2セットに3本のマッチポイントを握りながら逆転され、ファイナルセットも先に2本のマッチポイントを取りながら勝てなかった。全仏に次いでの予選上がりだけに、精神的なスタミナ切れか。クビドバの準決勝進出は、チェコ選手としてはマルチナ・ナブラチロワ、ハナ・マンドリコワ、ヤナ・ノボトナに次ぎ4人目。先輩はいずれも優勝している。
 ビーナスとピロンコバの一戦は、ピロンコバのサーブは安定していたが、ビーナスのミスが多すぎた。ブルガリア勢のグランドスラムの4強はこれがオープン化以降初めての快挙だった。

<了>
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