ウィンブルドン選手権、21日開幕! 錦織はナダルと初戦=見どころ
2年ぶりにウィンブルドンに出場する錦織圭。初戦の相手は、世界ランク1位のラファエル・ナダルだ 【Getty Images】
世界1位ナダルが第2シード? ウィンブルドン独自のシード制度
18日、ドローが発表された。まず気付くのは、男子の第1シードが世界1位に返り咲いた一昨年の覇者ラファエル・ナダル(スペイン)ではなく、過去ウィンブルドン6度の優勝を誇るディフェンディング・チャンピオンのロジャー・フェデラー(スイス)ということ。芝の実績を重視する、ウィンブルドン独自のシード制度のなせる業だ。
しかし次の瞬間、シード順などどうでもよくなった。全仏王者、そして2年ぶりにウィンブルドンに戻ってくるナダルの最初の相手は、なんと錦織圭(ソニー)だ。予選覚悟だった錦織はワイルドカードで本戦入りを果たしたのだが、いきなりナダルとは……。恐らくセンターコートに入るだろう。“不運”と言うのはよそう。錦織ならきっと「楽しみ」と言うはずだ。
また、予選の3回戦で敗れた添田豪(空旅ドットコム)が“ラッキールーザー”で本戦入りを果たした。2007年の全豪オープンに続く2度目のグランドスラムだが、本戦に日本男子が2人以上名を連ねるのは1994年以来16年ぶり。全仏に続き、ウィンブルドンも日本にとって朗報で幕を開ける。
話を戻そう。昨年の優勝でグランドスラム通算優勝回数を史上最多の15としたフェデラーは、大記録達成でここのところモチベーションの低下も心配されているが、舞台がウィンブルドンとなれば話は別だ。特にナダルには08年の全仏、ウィンブルドン、09年の全豪とグランドスラムでは3連敗中だけにここは譲れない。
ランキングとシード順位が違う選手はほかにもいる。たとえばアンディ・ロディック(米国)は7位だが第5シード。04年、05年、09年と3度決勝で敗れたものの、その相手は全てフェデラーであり、特に昨年の素晴しい戦いぶりは評価に値する。フェデラーとは準決勝であたるドローだが、もう優勝トロフィーしか要らないロディックにとっていずれ倒さなければならない敵だ。
ノバック・ジョコビッチ(セルビア)とアンディ・マレー(スコットランド)はそれぞれランキング通りの第3、第4シード。74年ぶりの自国チャンピオン誕生を待ちわびる英国のファンの熱狂の中、マレーが初の決勝進出を果たすには準決勝でナダルを倒さなくてはならない。
前哨戦のゲリー・ウェバー・オープンでフェデラーを破って優勝したレイトン・ヒューイット(オーストラリア)は26位にもかかわらず第15シードをもらった。第9〜16シードにはクロアチアの21歳マリン・チリッチ、全仏ベスト4のトマシュ・ベルディヒ(チェコ)など危険な顔が並んでいる。
ウィリアムズ姉妹が“ワンツー・シード”
芝に来ると特に輝くシャラポワに、前哨戦(AEGONクラシック)のタイトルを譲らなかったのは中国のリ・ナだ。全豪でそろってベスト4入りしたジエ・ジェンともども芝は得意。中国勢の快挙が再びあるかもしれない。
もったいないと言えば、キム・クライシュテルスとジュスティーヌ・エナン。ベルギーの元女王2人が、順当にいけば4回戦で対戦となってしまう。エナンはウィンブルドンに優勝すれば生涯グランドスラムを達成できるが、果たして。
こうしたベテラン勢の話題に押されがちだが、第3シードの19歳のキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)、第7シードで過去2年連続ベスト8の21歳アグニエシュカ・ラドワンスカ(ポーランド)、第14シードで昨年ベスト8の20歳ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)ら若手がどこまで上位に食い込めるか。
若手の奮起に期待したいのは日本も同じ。今回は39歳のクルム伊達公子(エステティックTBC)、20歳の森田あゆみ(キヤノン)の本戦ストレート入りに加えて、予選から18歳の奈良くるみ(大産大)が勝ち上がってきた。3人とも格上が相手だが、悲観するドローではない。森田と奈良にはグランドスラム初勝利が懸かっている。朗報をできるだけ長く続けてほしい。
<了>
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