“原監督のおい”菅野、最速154キロも「まだ70点」=全日本大学野球選手権リポート

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相手監督も脱帽「格の違いを見せつけられた」

 第59回全日本大学野球選手権大会が8日、神宮球場、東京ドームで開幕した。神宮球場で行われた第1試合では、東海大が8対1で白鴎大に8回コールド勝ちを収めた。

 早大・斎藤佑樹(早稲田実高)ら4年生に逸材がそろう中で、「来年のドラフト1位候補」と評価される東海大・菅野智之(3年=東海大相模高)が上々のスタートを切った。185センチの長身から投げ下ろすストレートは、自己最速の154キロをマーク。「神宮球場での先発は初めてですけど、楽しもうと思いました」との言葉通り、緊張や重圧を感じさせないピッチングを披露した。
 球速に関しては「こだわっていません。気持ちが充実していたことが、そのスピードにつながったのかもしれません」と冷静に分析。「トーナメントなので、いかに球数を減らせるかが課題でした」と振り返ったように、力のあるストレートだけでなく、スライダー、110キロ前後のスローカーブを効果的に組み合わせて8回を88球で投げ切った。3安打1得点に抑えられた白鴎大・藤倉多祐監督は「格の違いを見せつけられた。見下ろされてる部分があった」と脱帽するしかなかった。

 コールド勝ちがかかった7回には自身のエラーから1点を失い、「一番悪い癖が出ました。力勝負にこだわってあの結果ですから」と、三振を狙った152キロのストレートをはじき返された場面を反省点として挙げた。東海大の横井人輝監督は「打たれるときは真っすぐにこだわってしまう」と、欠点を指摘しながらも「いい勉強になったでしょう」と前向きにとらえていた。

期待の大型右腕にプロのスカウト、メジャーも注目

 東海大相模高時代には、「巨人・原辰徳監督のおい」ということで注目を集めたが、大学3年生になった現在は、その動向に米大リーグがチェックするほど。この日も多くのスカウトが集まり、今大会に出場するライバル校も偵察に訪れたが、自身のペースをしっかり守って8回を3安打、5奪三振、無四球に抑えた。
「まだ70点ぐらい。少しずつ上げていけばいい。明日とかに90点ぐらいになれば」と先を見据えた菅野。試合終盤でも150キロを超える球を投げるスタミナ、去年の1回戦敗退の悪夢を「去年は去年」と振り払うハートの強さ、「まだまだいいピッチングができると思います」と言い切るピッチングへのどん欲さ……。スケールの大きさを感じさせる大型右腕が、今大会の主役候補に名乗りを挙げた。

<了>
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