ドログバとアネルカ、チェルシーのエースFWがW杯を語る

アネルカ「3大会への出場を逃したことは全く傷ついていない」

ドログバ(左)はコートジボワール代表、アネルカ(右)はフランス代表で上位進出を目指す。2人の直接対決は実現するか? 【Photo:Action Images/アフロ】

――君たちは2人ともW杯本大会に出場する。この夏、どちらがより早くロンドンに戻ってくる可能性が高いと思う?

ドログバ フランス代表は勝ち進むだろうと、僕は確信している。フランスは本当に偉大な選手をたくさん擁しているから、彼らが早期敗退するところは想像できないよ。
 反対に、コートジボワールにとって、事はより複雑だ。それは、僕らが非常に厳しいグループ(ブラジル、北朝鮮、ポルトガルと同じグループG)に入ったという理由からだけではない。僕らにとって2度目のW杯とはいえ、ハイレベルな大会で勝ち残るためには、まだまだ学ばなければいけないことがたくさんあるからね。

アネルカ 僕は、アフリカ代表の1つが準決勝まで食い込んでくるだろうと信じている。それがコートジボワールでない理由はどこにもないよ。すべては、滑り出し次第だと思う。しばしば、初戦がその後のチームの流れを決めるものだからね。でも早々にチェルシーに戻る者が、みんなにからかわれることだけは間違いないな……。自分はその役回りにはなりたくない。ディディエが先にロンドンに帰る方が、僕にとっては好ましいね(笑)。

――ニコラ、意外なことに、南アフリカ大会は君にとって初めてのW杯となる

アネルカ ああ、それは事実だ。確かに僕は、これまで3大会への出場を逃した(1998、2002、06年大会)。でも率直に言って、そのことには全く傷ついていないんだ。生きるために、僕のキャリアにW杯が必要なわけじゃないからね。当然ながら、W杯は大きな大会だから残念だったけれど、ここまでのところ、出られなかったからといって動揺することはなかった。

 最初の機会となった98年は、僕はわずか19歳にすぎなかった。ただ、もしフランスが(06年に)2度目のW杯優勝を遂げていたら、少し悔しい気分になっていたかもしれない。それは認める。そうなっていたら恐らく、よりつらく感じただろうと告白するよ。危うくそうなりかかったけれど、寸でのところで実現しなかった。でも、もしかしたら、僕が決してW杯の舞台で戦わないと、運命に書かれているのかもしれないよ……。

ドログバ「4年前の経験から教訓を得ていることを祈っている」

――この種の大会で避けなければならないミスは何だと思う?

ドログバ 最も重大なミスは、疲れ切った状態で大会に参加することだ。今のところ、僕は大丈夫そうだけどね。もう1つは、わくわくするあまり、観客のように振る舞い過ぎてしまうことだろう。4年前のドイツ大会での僕らは、少しそんな感じだった。新参者だった僕らは、周囲で起こっていることを眺めて喜び、やや観客気分だったんだよ。チームのみんなが、あの経験から教訓を得ていることを祈っている。

――お互いに、相手をうらやましく思う部分は?

アネルカ もちろん、ヘディングプレーだよ(2人で大笑い)! いや、もし僕が彼から何か1つを拝借できるとしたら、フリーキックの蹴り方をもらいたいね。僕は、彼がボールをこすっているのかどうかも知らないんだけれど、毎回、彼のキックは壁を越えて、ほぼいつもと言っていいほどの頻度でゴールになるんだ。少し“ジュニーニョ風の特殊効果”が利いていて、本当に印象的だよ。

ドログバ そうか。それなら僕は、ドリブルで相手を抜き去ってシュートを放つ、君のあの一連のワザをちょうだいしたいね。昨シーズン、練習での3対3で、君をマークする役をやらされた時のことをよく覚えている。正直、あれほど速いとは思っていなかった。あれ以来、僕は君をマークするDFたちを本当に気の毒に思っているんだ。

――W杯で2人が対決することになったらどうする?

アネルカ そうなれば、僕らが少なくとも準決勝に進出したということだから良いことだよ。でも、そうならないとは言い切れないだろう? 僕の意見としては、肝心なのは本大会への切符を得ることではなく、本戦で快進撃を見せることなんだ。わずか(グループリーグ)3試合の後に再び家に戻るために南アフリカまで行くなんて、何の役に立つんだい? 南アフリカでは、きっと何か驚きが起こる。すべての優勝候補が最後まで勝ち進めるわけではないと思う。そこから実りある結果を引き出せるかは、僕ら次第だ。

ドログバ 僕にとっては全く問題じゃない。ぜひ、準決勝でフランスと対決したいね。でもそのためには、今から開幕までの間に、大きな進歩への一歩を踏み出さなければ。というのも、コートジボワールはスペインやブラジル、フランス、アルゼンチンといった強豪チームから、まだまだ実力的に遠く離れているからね。僕らは優秀な選手を擁してはいるけれど、まだ偉大なチームではないんだ。

<了>

(翻訳:木村かや子)

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著者プロフィール

1968年3月3日生まれ。『レキップ』紙を経て、98年より『フランス・フットボール』誌の記者として活躍。フランスのほかアフリカサッカーを得意分野とし、かの地に広いネットワークを持つ。特にドログバと親交が深く、取材がなくても電話で近況を報告し合う仲。2007年には同誌上でチェルシー批判を含むドログバの激白インタビューを発表し、国内外でセンセーションを巻き起こした。趣味は自分の子供と遊ぶこと、テニス、文学

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