坂口征夫、涙で引退「本当に幸せだった」 俳優の弟・憲二氏も花束 大石が判定勝ちで王座挑戦へ=パンクラス
坂口征夫(中央)の引退セレモニーにはミノワマン、北岡、弟・憲二氏らが参加した 【田栗かおる】
メーンでは大石幸史vs.ISAOのライト級王座次期挑戦者決定戦が行われ、32歳のベテラン大石が4連勝と快進撃を続ける坂口道場所属のISAOに判定勝ち、ライト級王座戦出場を決めた。
また、全試合終了後には坂口征夫の引退セレモニーが行われ、元プロレスラーの父・征二氏、俳優の弟・憲二氏、ミノワマンらが花束を贈呈。征夫は涙で「自分の背中に背負った刀は鞘に納めます。ありがとうございました」と別れを告げ、最後は10カウントゴングでリングを後にした。
坂口征夫「このリングで死ねて幸せ」
俳優の弟・弟・憲二氏(左)から声を掛けられ、照れながら花束を受け取る征夫 【田栗かおる】
最後に、父・征二氏から花束を受け取った征夫は「今日はこれだけの人が集まっていただいて、ありがとうございます」と深く頭を下げ、涙で声を震わせながら現役生活に別れを告げた。
以下はリング上での坂口征夫の挨拶。
「脇目も振らずに突っ走った印象が残っています。『何故やめるんだ』という声もありますが、自分なりには満足しているつもりです。このリングは自分にとって運命のようなもので、小学生時代にお世話になった兄貴のような存在の船木(誠勝)さん、鈴木(みのる)さんが作ったもので、そして尾崎社長との運命的な出会いがあって、このリングで生まれて、このリングで死ねて本当に幸せだったと思います。全10試合で平均タイム1分44秒とあまり仕事をしていないかもしれないですけど、お客さんを飽きさせない戦いを見せれた、これは自分の誇りだと思っています。
今日で自分の背中に背負った刀は鞘に納めます。ただ、錆び付かせないようにずっと研ぎ続けます。いつかパンクラスが困ったときに、その刀をもう一度抜けるように頑張っていきたいと思います。ありがとうございました」
格闘家人生に別れ、征夫「全部が思い出」
引退セレモニーでは涙を見せた征夫だが、最後は笑顔で新たな旅立ちへの決意を語った 【田栗かおる】
あっという間だったという現役生活で最も印象に残っていることについて、征夫は「全部が思い出です。試合でも練習でも、この2年間のすべてが心に刻まれています」と、充実した自身の格闘家人生を振り返った。
今後は坂口道場の代表して、同道場に所属する選手たちを育成しながら「すべての人たちを守っていきたい」と新たな人生への意気込みを語った。