代表初ゴールを決めた長谷部の攻撃力に期待=ブンデスリーガ第13節プレビュー
過密日程とモチベーション維持の難しさ
香港戦で代表初ゴールを決めた長谷部。ニュルンベルク戦で出番はあるか 【Getty Images】
開幕直後はリーグ戦で3連敗を喫するなど波に乗れなかったボルフスブルクだが、ようやくここに来て5位にまで順位を上げてきた。CLでもマンチェスター・ユナイテッドに次ぐ2位につけ、決勝トーナメント進出も視界に入っている。まずまずの戦いを続けるボルフスブルクだが、今節は厳しいコンディションとの戦いが予想される。
ボルフスブルクの長谷部誠は、日本代表の一員としてフル出場した18日のアジアカップ最終予選の香港戦でミドルシュートを決め、代表初ゴールを挙げた。これまでも惜しいシュートは数多く放っていたし、昨季マガト監督のもとで磨いた中盤からのロングフィードの精度も上がるなど、代表において攻撃面でも貢献してきた。ボルフスブルクでも代表でも、「攻撃力を高めなければ」と事あるごとに課題を口にしていた長谷部。代表初ゴールを決め、気分よくチームに戻ったことだろう。
長谷部のチームメートに目を向けると、ワールドカップ(W杯)・アフリカ予選最終節に出場したナイジェリア代表FWオバフェミ・マルティンスが大活躍を見せた。勝ち点差2でグループ2位につけていたナイジェリアは、60分にマルティンスが同点ゴール。両チーム1点ずつ入れて迎えた81分、マルティンスがこの日2得点目となる決勝ゴールを挙げた。首位のチュニジアがモザンビークに0−1で敗れたため、逆転で2大会ぶり4回目のW杯本大会出場を決めた。“スーパーイーグルス”(ナイジェリア代表の愛称)の国民的ヒーローになったマルティンスは勢いに乗りそうだ。
時間当たりのゴール数はボルフスブルクで一番。あとは戦術的にチームにフィットするかだが、2得点を記録した第11節(10月31日)のマインツ戦出場時には、前線から中盤まで精力的に動き回り、戦力として認められようという意欲を見せていた。
一方、失意とともにチームへ戻ってきたのは、エースストライカーのエディン・ジェコ。W杯欧州予選のプレーオフでポルトガルに連敗し、絶対的エースの力をもってしても、母国ボスニア・ヘルツェゴビナを本大会へ導くことはできなかった。第11節では絶好のゴールチャンスでボールが足につかず、プレーオフでも惜しいシュートがゴールに嫌われ続けた点も気掛かりだ。
また、同じくボスニア勢では、ズベジャン・ミシモビッチが負傷のためプレーオフ第2戦を欠場している。今季リーグ戦でフル出場を続けている、中盤の「ダイヤモンド」の一角を欠く事になれば、ボルフスブルクにとっては緊急事態となる。
対するニュルンベルクは、今季2部から1部に1シーズンで返り咲きを果たしたリーグ優勝9回を誇る古豪。スロバキア代表MFマレク・ミンタル(05年1部、08年2部得点王)、元スイス代表MFダニエル・ギガックス、14日のノルウェー戦でスイス代表デビューを果たしたFWアルベルト・ブニャク、ギリシャ代表FWアンゲロス・ハリステアスらが在籍。古豪だけあって、1部復帰1年目としては有力選手がそろう。だが、ニュルンベルクは第12節を終えて勝ち点9の16位に沈み、ミンタルもここまで1得点にとどまる。今季の2勝は、いずれも下位チームからホームで挙げたもの。ホームのボルフスブルクにとっては、勝ちを計算しなければならない一戦だ。
18日の香港戦終了後、ドイツへと再び長距離移動した長谷部のコンディションはいかに。そして、天国と地獄を味わったチームメートたちの精神状態は……。キーマンである背番号10、ミシモビッチの穴をどうするか。アルミン・フェー監督の敷く布陣に注目が集まる。
<了>
ブンデスリーガ フジテレビNEXT・ONE放送予定
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