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北京五輪、WBCの躍進で過去最高の熱気
急成長、韓国プロ野球最新リポート
過去最高の盛り上がりを見せる韓国プロ野球。スタンドには若い女性の姿も
過去最高の盛り上がりを見せる韓国プロ野球。スタンドには若い女性の姿も【ストライク・ゾーン】

 韓国プロ野球は1982年、全6球団でスタートし、今季が28シーズン目。現在は、KIAタイガース(クァンジュ)、SKワイバーンズ(インチョン)、斗山ベアーズ(ソウル・チャムシル)、ロッテ・ジャイアンツ(プサン)、サムソン・ライオンズ(テグ)、ヒーローズ(ソウル・モクトン)、LGツインズ(ソウル・チャムシル)、ハンファ・イーグルス(テジョン)の8球団1リーグ制で構成されている。※( )内は本拠地。


 公式戦133試合を戦い、4位以上がポストシーズンに進出する。ポストシーズンの運営方式は、3・4位チームでの準プレーオフ(5戦3勝制)を行い、その勝者がプレーオフ(5戦3勝制)で2位チームと対戦。プレーオフ勝者が1位と「韓国シリーズ」(7戦4勝制)を戦う。今季は、KIAタイガースが12年ぶり10度目の優勝を決め、日韓クラブチャンピオンシップに駒を進めた。

「最後まで何が起こるかわからない」韓国野球の魅力

 歴史、規模とも日本プロ野球に及ばないが、昨年の北京五輪では9戦全勝で金メダルを獲得。今春のワールドベースボールクラシック(WBC)では日本とともに決勝戦に進み、延長10回の死闘を繰り広げるなど、近年、その高いレベルを誇っている。

 これまではレベルの高さが、代表選手クラスにのみ当てはまるとされていたが、韓国球界に関わる日本球界出身者からは「リーグ全体のレベルも決して低くない」との声が聞かれる。

 ことし4月途中、SKに外国人選手として入団した門倉健(元巨人ほか)は「代表選手以外もいい選手が多い。そして、どんな試合展開でも最後まであきらめない姿勢に驚かされる」と話す。また、3年間SKでコーチを務め、今オフから東北楽天の1軍内野守備走塁コーチとして日本球界に復帰した福原峰夫氏も「最後まで何が起こるかわからないのが韓国野球。その点では日本野球より面白い」と勝利への執念を韓国の特徴に挙げた。


 加えて、近年は緻密(ちみつ)な野球が球界をリードしている。07、08年と「データ野球の神」と言われる金星根監督率いるSKがリーグを制したが、そのSKを倒し、ことし頂点に立ったのが金星根氏と師弟関係にある、チョ汎鉉監督率いるKIAだ。KIAはデータを重視するチョ汎鉉監督の下、長く低迷したチームに根付く「負け癖」を払拭し頂点に立った。「執念とデータ」。この相反する2つを兼備したチームが、近年の韓国プロ野球を席巻している。

「江戸の敵を長崎で」打倒・日本に燃える韓国王者

 また、ことしは韓国国民のプロ野球への関心が最高潮となった。総観客動員数は過去最高の592万人(1試合平均約1万1千人)を集め、人気球団のロッテは過去最多となる1シーズン138万人の観客を動員した。北京五輪やWBCでの躍進は野球選手の露出を増やし、スタンドに女性ファンが急増するという、これまでにない現象も起きている。


 昨年まで東京ドームで行われたアジアシリーズでは、予選リーグ初戦でSKが07、08年と中日、埼玉西武に土をつけるも、過去4度全て日本のチームが優勝している。

 ことしはたった一度の真剣勝負となる日韓クラブチャンピオンシップ。「江戸の敵を長崎で討つ」。韓国出場チーム・KIAタイガースにそのチャンスが巡ってきた。

室井昌也
室井昌也
1972年、東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、2004年から著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』を毎年発行。韓国では2006年からスポーツ朝鮮のコラムニストとして韓国語でコラムを担当し、その他、取材成果や韓国球界とのつながりはメディアや日本の球団などでも反映されている。現在「室井昌也の韓国野球を観に行こう!」(ラジオ日本)に出演中。有限会社ストライク・ゾーン取締役社長。

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