長谷部が挑み続ける「残り1枠」の争い=ブンデスリーガ第12節プレビュー

ボルフスブルクの中盤で重宝される長谷部

CLベジクタシュ戦に続き、長谷部はホッフェンハイム戦でも先発に名前を連ねることができるか 【Bongarts/Getty Images】

 クリスティアン・ゲントナー(ドイツ代表)、ズベジャン・ミシモビッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ代表)、そしてキャプテンのジョズエ(ブラジル代表)で構成されるボルフスブルク中盤の不動の3人に続くプレーヤーは誰か? 現在のところ、長谷部誠が最もその位置に近いと言えそうだ。

 今シーズンの長谷部は負傷で出遅れたものの、ブンデスリーガ第5節以降、カップ戦を含めた全試合に出場。第11節のマインツ05戦でも82分からとはいえ、連続出場を伸ばした。リーグ戦、欧州チャンピオンズリーグ(CL)、DFBカップ、さらには各国代表選手が多いことから、シーズン開幕当初、アルミン・フェー監督はこの過密日程に対応するため、「ターンオーバー制」導入を示唆していたが(DFBカップは敗退)、長谷部と同様に信頼できるオプションはいまだ見つかっていないようだ。

 長谷部が戦線離脱していたころ、主に新加入のカリム・ジアニ(アルジェリア代表)、次いでアシュカン・デヤガを先発で起用したが、定位置は確保できず。第5節に長谷部が復帰すると、彼らは長谷部の途中交代要員となった。ジアニは長谷部の復帰後は先発がなく、10月にはハムストリングの負傷により離脱。一方、デヤガは3日のチャンピオンズリーグ(CL)ベジクタシュ戦まで、今季の出場は10試合(先発2試合)にとどまり出場時間も短い。時にはベンチを外れたこともある。これに対し、長谷部は復帰後12試合(先発8試合)に出場している。数字から見ても、やはり中盤4人目の主力は長谷部ということになる。

「残り1枠」をめぐるし烈なポジション争い

 とはいえ、その長谷部も常時出場が保証されているわけではない。フェー監督は中盤から前線にかけて、ベストな組み合わせを模索し続けているのだ。
 第10節のヘルタ戦では、起用法に不満を持っているというデヤガが、古巣相手に先発で起用された。デヤガは前線でもプレーできる選手ということもあり、フェー監督は最下位に低迷するヘルタから勝ち点3を奪うため、デヤガのスピードと攻撃力、そしてヘルタをよく知っているというメリットを生かそうと考えたのだろう。しかし、この試合は結局スコアレスドローに終わり、結果にはつながらなかった。

 また第11節のマインツ05戦では、でん部の負傷などから長期離脱していたトマス・カーレンベリ(元デンマーク代表)が初出場・初先発を果たした。だが、今季オセールから加入した攻撃的MFは、ボールタッチの回数が少なく、ディフェンス面でも課題を露呈。連係もまだまだで、チームメートとの意思疎通が図れていないシーンもあった。何度か攻撃でいい動きを見せた以外はこれといった見せ場を作れないまま、65分にデヤガと交代で退いた。

 もう1つの選択肢は前線を3トップにして、オバフェミ・マルティンス(ナイジェリア代表)、エディン・ジェコ(ボスニア・ハルツェゴビナ代表)、グラフィテと並べる形だ。スタメンではCLのCSKAモスクワ戦で試している。対戦相手と局面によっては、今後も採用されることは十分考えられるが、この布陣では長谷部は控えに回らざるを得ない。
 ジアニが負傷から復帰し、カーレンベリが調子を取り戻せば、さらにマルティンスが好調を維持すれば、ボルフスブルクの「残り1枠」はさらに激戦区となる。

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