小猪木、越中のケツ攻撃に完敗=西口DXプロレス

高木裕美

7回目を迎えた西口DXプロレス。小猪木vs.越中などが行われた 【t.SAKUMA】

 西口プロレスが3カ月に一度のペースで開催する特別興行「西口DXプロレス」第7弾となる「Megaton7 〜デラックス・ア・ゴー!ゴー!〜」(東京・渋谷O−EAST)では、「エンタの神様」や「爆笑レッドカーペット」などで活躍するお笑い芸人や、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」の名物キャラクターなどがゲスト参戦。また、来年3月28日の後楽園ホール大会を最後に引退を表明した風香も登場し、会場を盛り上げた。

 メーンイベントでは、これまで数々の強豪プロレスラーと一騎打ちを行ってきた西口のエース・アントニオ小猪木が、越中詩郎と対戦。これまでの高山善廣、曙、小島聡、ウルティモ・ドラゴン、藤原喜明、ミノワマン戦に続き、連敗記録を更新した。

ケツ圧で完勝だって!

小猪木(左)は果敢に攻めるも越中のケツ攻撃に完敗 【t.SAKUMA】

 試合前こそ越中の必殺技ヒップアタックを「アゴでブッ刺す」と威勢よく予告し、ケツvs.アゴの世紀の一戦となることを宣言していた小猪木だが、ゴング前から越中のフライングでプレッシャーを与えられると、すでにアゴのことは脳裏の彼方に吹っ飛んでしまい、ひたすら越中の鋼鉄の尻のみに狙いを集中。

 開始早々、大胆にもヒップアタックの動きや尻を叩きながらの“尻拍子”で挑発してみせた小猪木は、ここぞとばかりに越中の尻に集中攻撃を浴びせるが、鬼の形相と化した越中はエプロンからのダイビング式&ステージからのランニング式のヒップアタック2連弾。この2発ですでに虫の息となった小猪木は、越中の足にしがみついてパワーボム必死で阻止すると、正座式ニードロップから延髄斬り2連発。さらにコーナートップからのダイビング式ローリングクラッチで丸め込もうとするが、これを踏ん張って耐えた越中がヒップドロップ3連発で小猪木を圧殺した。

 試合を終えた小猪木は「一発でトドメをさされてるのに、3発も食らった」「ショートレンジのヒッププッシュなら耐えられるかな、と思ってたら脳がクラッときた」と、越中の尻の半端ない威力に半泣きになりながらも、芸人らしく「この試合、尻に火をつけて戦いに挑んだけど、“シリ”アスな試合、尻に敷かれて負けてしまいました」と必死に尻をかけたコメントを連発。「たくさんのお客さんの前でできました。どうもありがとうございました」と笑顔で握手を求めてきた越中に対し、小猪木は「これで越中さんとも“知り”合いになれたので、また頑張って戦い」と懲りもせずに再戦を口にした。

ザ・たっちが双子ならではの特性で敗北

ザ・たっち(左2人)が西口DX初参戦。小力(右から2人目)組と対戦した 【t.SAKUMA】

 セミファイナルでは身長151cmの双子コンビ、ザ・たっちが西口DXのリングに初登場。長州小力、焙煎TAGAI組と対戦した。
 ザ・たっちの2人は07年12月に全日本プロレスに参戦。武藤敬司&神奈月のW武藤が持つF−1タッグ選手権に佐々木健介&たくやのW健介組で挑戦(かずやはマネージャーとして北斗晶とW北斗を結成)したり、2年連続でものまねプロレス「まねんのか!」にも参戦。健介&北斗に加え、故・橋本真也さんもものまねレパートリーに持っている。
 リング経験の豊富なザ・たっちは、試合前に小力組の小ボケに「ちょっと、ちょっとちょっと」でツッコんでみせると、その後も双子ならではの特性を生かしたかく乱作戦で「どっちだ」と惑わせたり、秘技「幽体離脱」でフォールをカウント2ではね返したり、おすぎとピーコのものまねで「踏んづけてやる」と叫びながらストンピングを放つなど、随所で見せ場は作るも、「双子で見分けがつかない」ことが逆にアダとなり、「どっちを攻めてるのか途中で分からなくなった」(小力)ことから、弟かずやが「8割方やられている」不公平な状況に陥ってしまう。

 おまけに、双子ならではの奇妙なシンクロによって、技を受けていない方までもが同時に痛みを感じてしまい、勝手に通常の2倍のダメージを受けまくることに。この結果、小力のダブルの小力ラリアットで同時にダウンした末、ダブル逆片エビ固めで同時ギブアップを喫した。

個性派キャラが続々登場

「ガキの使い」でおなじみ「今夜が山田」医師が第3試合に登場。診察した 【t.SAKUMA】

 これまでも話題の芸人が参戦してきた西口DXのリングにニュースターが誕生。漫画「北斗の拳」を敬愛する従兄弟同士のコンビ「牙一族」の兄者&キバジは、ブルー・ザ・ブロディばりの野性味あふれるファイトでラブセクシー軍団と互角に渡り合うも、龍角散によるパウダー目つぶしからタライ攻撃で兄者がKOされ、「助っ人」に呼んだはずの“先生”から「今夜が山田」と危篤宣告を受けてしまったことであっさり敗北。しかし、その戦いぶりが評価され、早くも試合後に小力から次回大会の参戦オファーを受けた。

 一方、3人組のインスタントジョンソンは明日発売となる自分たちのCD「負け犬酒」の宣伝を賭けて、「負けたら代々木健介をメンバーに入れる」という条件付きで6人タッグに臨むが、すぎ。の持ちネタであるシガニー・ウィーバーのものまねがあまり観客に伝わらず、小力に「西口DX史上一番グダグダ」と評されてしまうものの、何とか持ちネタの「お疲れちゃ〜ん」に引っ掛けた「お疲れちゃん固め」で代々木をギブアップさせて勝利。しかし、肝心のCDの宣伝はできず、最後までグダグダになってしまった。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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