優勝候補はブラジル、スペイン、ドイツか=FIFA U-20ワールドカップ、いよいよ決勝トーナメントへ
優勝争いはブラジル、スペイン、ドイツを軸に?
ブラジルの“勝者のメンタリティー”はどの世代にも息づいている 【www.douglascosta.com】
今大会は開催時期を大幅に変更した影響で(過去2大会は欧州のシーズン終了後の開催)、ヨーロッパ各国リーグに所属する選手に招集辞退者が多数出た。しかしフタを開けてみれば、連日高いレベルでの熱戦が繰り広げられている。
5回目の優勝を目指すブラジルは大型FWアラン・カルデッキの迫力ある攻撃を見てほしい。また、10番を背負う司令塔ジュリアーノは、19歳とは思えない落ち着いた指揮者である。彼が軽やかなタッチでパスを出せば、新たなシンフォニーが生まれるようだ。
第2戦まで無失点に抑えている守備陣には、最終ラインの2人組、ダグラスとダウトンがいる。彼らがブラジル伝統のサイドバックの攻撃参加(左サイドのジオゴ)を支えている。
ブラジルのすごさは、どの世代の大会でも大会最終日まで戦うつもりでいること。彼らが本気を見せるのは、まだこれからか?
2007−08シーズンのUEFA U−19欧州選手権の覇者ドイツは特に招集辞退者が目立ち、戦前は違った意味で注目を集めた。だが、米国、韓国から勝ち点を重ねて早々とグループリーグ突破を決め、逆に選手層の厚さを見せつけた形だ。06年ドイツW杯で3位、08年のユーロ(欧州選手権)で準優勝の強国は、次の世代でも着々と強化が進んでいることをうかがわせる。
スペインはMFフラン・メリダ(アーセナル)の招集に成功。第2戦のナイジェリア戦、メリダは07年U−17W杯決勝のナイジェリア戦でPKを失敗した悪夢を振り払うべく奮闘し、2ゴールを挙げる活躍でチームを2−0の勝利に導いた。
今大会屈指のタレント集団であるスペインは危なげない戦いを続けているが、メリダにとって本当のリベンジが完了するのは、優勝トロフィーを掲げた時だろう。
苦戦する王者ナイジェリア、ド派手な開催国エジプト
またパラグアイの背番号10、MFのグスタボ・クリスタルドは、小柄ではあるがスピード感あふれる同国期待の若手。風ぼうはどことなくメッシに似た雰囲気で、スタイルは異なるものの“本家”超えもあるかもしれない。アルゼンチンを抑えて南米2位で本大会に進出したチーム力はダテではない。
アジア勢では、初戦の南アフリカ戦で後半ロスタイムに2点を入れて奇跡のドローに持ち込んだUAE(アラブ首長国連邦)が第2戦でホンジュラスを破り、グループリーグ勝ち抜きを決めた。サウジアラビアとの10年W杯予選・アジアプレーオフでロスタイムに勝利をつかんだバーレーンばりのミラクルで、次のアジア予選では日本の強敵となるかもしれない。
逆に苦戦しているのが、07年U−17W杯王者のナイジェリア。1勝2敗で3位集団の上位で拾われることを願う苦しい展開だ。U−17W杯開催を10月24日に控え、是が非でも勝ち上りたいところだが……。
最後に、ド派手な開催国エジプト! 開幕戦のゴールラッシュに始まり(4−1でトリニダード・トバゴに勝利)、パラグアイとの第2戦は後半ロスタイムの失点で敗戦、最終戦では強豪イタリアを撃破してグループリーグ突破を決めた。タラート、アフロトの両FWは威力抜群だ。
と、ここまで書いてきたが、大会の中でも日々成長していくのがこの世代の特徴。この原稿がどれだけ陳腐になるかが、大会の盛り上がりを測るバロメーターかもしれない。
<了>
U−20W杯 フジテレビNEXT・フジテレビONE放送予定
準決勝(1) 10月13日(火)23:20〜(生中継) フジテレビNEXT
準決勝(2) 10月13日(火)26:50〜(生中継) フジテレビNEXT
3位決定戦 10月16日(金)23:50〜(生中継) フジテレビONE
決勝 10月16日(金)26:50〜(生中継) フジテレビONE
※そのほか、ブラジル代表出場試合を全試合放送中。詳しい放送スケジュールは、番組オフィシャルサイトをご覧ください。
なお、FIFA U-17 World Cup Nigeria 2009 (10月24日開幕)もフジテレビNEXT・フジテレビONEで放送決定! こちらは日本代表も出場します。ご期待ください。
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