立嶋篤史が6年ぶりに復活、判定勝利で男泣き=新日本キック

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6年ぶり復活の立嶋(左)が判定勝利 【スポーツナビ】

 TITANS事務局主催・新日本キックボクシング協会認定の「TITANS NEOS VI」が20日、格闘技の聖地・後楽園ホールで開催された。熱戦が続いた全14試合の中でも、一番の注目度と歓声を集めたのが、“キック界のカリスマ”立嶋篤史の6年ぶりとなる復帰戦。1990年代のキック界をけん引した男が、再びリングという戦場に足を踏み入れた。

 順風満帆と思われた立嶋のキック人生であったが、2000年代に突入するとその輝きは失われ、他団体に移籍するなどしたが戦績は振るわず。この日が03年6月以来の試合となる。当然、試合勘などが心配される中、第1ラウンドは硬さが見られるか、相手のラッシュを浴びて棒立ちになる場面も。

37歳とは思えぬ無尽蔵のスタミナ

ブランクをものともせず、終始攻め続けた 【スポーツナビ】

 しかし、第2ラウンドに入ると本領を発揮する。乾いた右ローキックの音を皮切りに、対戦相手の小野智史をコーナにー押し込み、小刻みにパンチ・ローを集めていく。時おりバックスピンエルボーも交え、徐々にダメージを蓄積させる。この立嶋の一気の攻勢に、会場のボルテージも上がり始め、ローに合わせて歓声がこだまする。最終ラウンドに突入しても勢いは衰えるどころか増すばかり。特筆すべきは、その無尽蔵のスタミナ。6年ぶりの復帰戦、さらに37歳とは思えぬ動きを披露して、3ラウンドを戦い抜いた。

 結果は2−0の判定で立嶋の勝利。その瞬間、カリスマはひざから崩れ落ちてリングに突っ伏した。その目には光るものが。頂点から急降下をたどり、地獄を見たからこその勝利の味をかみ締めているかのようで、ファンの拍手と歓声もなかなか鳴り止むことがなかった。

2冠王・松本が圧勝

松本(左)がロシア人ファイターに完勝。試合後、観戦に訪れていた長南亮と写真に納まる 【スポーツナビ】

 そしてメーンイベントには、ミドル級に続いてヘビー級の王者にも輝いた2冠王・松本哉朗が登場。ロシアのキセレフ・キリルと対戦して、序盤から重い蹴りやパンチで圧倒し、振り下ろすようなヒジを情け容赦なく浴びせる。最後は額から流血させ、戦意喪失を誘って1ラウンドKO勝利。王者の強さを満天下に知らしめる結果となった。

 また、K−1 MAXのリングにも上がった経験がある元ボクシング日本ミドル級王者・鈴木悟は、重いパンチを相手の脳天に響かせ、3度のダウンを奪取。見事なKO勝ちを収めている。
 
■新日本キックボクシング協会「TITANS NEOS VI」
9月20日(日)東京・後楽園ホール

<第14試合 ダブルメーンイベント ヘビー級 5回戦 ヒジあり>
○松本哉朗(日本ヘビー級王者/藤本ジム/新日本キックボクシング協会)
(1R2分26秒 KO)
●ジョー・シリング(インターナショナル・グラディエイター170ポンド級世界王者、/The Yard Muaythai/アメリカ)

<第13試合 ダブルセミファイナル ライト級 3回戦 ヒジあり>
●朴龍(日本ライト級王者/市原ジム/新日本キックボクシング協会)
(3R判定3−0)
○中尾 満(日本ライト級4位/伊原道場/新日本キックボクシング協会)

<第12試合 ダブルメーンイベント 5回戦 ヒジあり>
○越川大樹(日本フライ級王者/市原ジム/新日本キックボクシング協会)
(2R2分44秒 TKO)
●関 正隆(M−1スーパーフライ級王者、元NKBフライ級王者/昌平学/フリー)

<第11試合 フェザー級 3回戦>
○菊地大介(日本フェザー級2位/伊原道場稲城支部/新日本キックボクシング協会)
(3R判定3−0)
●アタルチャン・HRT(フリー)

<第10試合 フェザー級 3回戦 ヒジあり>
●小野智史(伊原道場/新日本キックボクシング協会)
(3R判定2−0)
○立嶋篤史(元全日本フェザー級王者/ASSHI−PROJECT/フリー)

<第9試合 3回戦 ヒジなし>
○嚴士鎔(日本ヘビー級3位/伊原道場/新日本キックボクシング協会)
(3R判定3−0)
●エド・リョーマ(バンゲリングベイ・スピリット/フリー)

<第8試合 ダブルセミファイナル ミドル級 3回戦 ヒジなし>
●阿久澤英一(日本ミドル級2位/山田/新日本キックボクシング協会)
(1R1分32秒 KO)
○鈴木 悟(バンゲリングベイ・スピリット/フリー)

<第7試合 ライト級 3回戦 ヒジなし>
○湯澤尚矢(日本ライト級7位/伊原道場/新日本キックボクシング協会)
(1R2分07秒 KO)
●高良正人(赤雲会)

<第6試合 58キロ契約 3回戦 ヒジあり>
●兼子ただし(日本ライト級10位/伊原道場/新日本キックボクシング協会)
(3R判定2−0)
○龍馬(NJKFフェザー級7位/y−park/ニュージャパンキックボクシング連盟)

<第5試合 ウェルター級 ヒジあり>
○藤倉悠作(元J−NETWORKミドル級4位/ASSHI−PROJECT/フリー)
(3R判定3−0)
●拳士(元プロボクシング日本ウェルター級6位、99年プロボクシングA級トーナメント優勝/フリー)

<第4試合 70キロ契約 3回戦 ヒジなし>
●石原裕基(日本ウェルター級3位/伊原道場/新日本キックボクシング協会)
(3R判定2−0)
○阿佐美宏明 (パワーオブドリーム)

<第3試合 ウェルター級 3回戦 ヒジあり>
○隼侍(日本ウェルター級6位/伊原道場稲城支部/新日本キックボクシング協会)
(3R判定2−0)
●竹内祐也(和術慧舟會総本部)

<第2試合 バンタム級 3回戦 ヒジなし>
○江幡 塁(伊原道場/新日本キックボクシング協会)
(3R判定3−0)
●朋史(全沖縄バンタム級3位/赤雲会)

<第1試合 ライト級 ヒジあり>
○福岡直矢(治政館/新日本キックボクシング協会)
(3R判定3−0)
●飛猿(新宿ジム/フリー)
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