サッカー元日本代表・前園真聖インタビュー「生涯現役アスリート」
引退後も積極的にさまざまなスポーツに挑戦する前園真聖氏。元々は嫌いだったと話すランニングを楽しむコツとは 【スポーツナビ】
ホノルルマラソン挑戦で感じた充実感
そうですね。現役時代には、他のスポーツをする機会が全くありませんでした。引退して何がしたいか考えた時にフルマラソンを一度走ってみたいという気持ちになり、最初にホノルルマラソンにトライしてみました。
――いろんなスポーツがある中で、なぜフルマラソンに挑みたくなったのでしょうか?
球技などはいつでもできますが、フルマラソンはそれなりのトレーニングやしっかりした準備をしないと、簡単にできるものではありません。テレビでマラソンを見ているときは、つらいだろうし、ずっと走っていても楽しくないだろうと思っていました。でも、引退した自分がチャレンジするのは何かと思ったときに一番初めに考え付いたのがフルマラソンでした。
駄目でしょう(笑)。とにかくきつかったですね。体力的な部分よりも、筋肉にかかる負荷や疲労があって、足がつりました。そういったところの大変さは、瞬発力やミドル系のパワーを使うことが多いサッカーとは違いましたね。それでも、目標にしていたタイムとはほど遠かったのですが、完走した後の充実感は今まで経験したことのないものでした。
初めてのフルマラソンでは、今まで経験したことのない充実感を得た 【スポーツナビ】
そうなんです。本当にきつくて、もうやりたくないなと思ったこともありましたが、とにかく毎年チャレンジしようと思って、今年もやることになりました。
タイムは去年が一番良かったんですが、なかなか伸びないですね。マラソンをやってみて思いましたが、毎日こつこつと持続してやらないと、なかなか自分の目標とするタイムは出せないし、簡単なスポーツではないと感じています。日々の積み重ねが一番大事だなと、このスポーツは特にそう思いますね。
――解説者やサッカースクールにも携わっていてお忙しい中で、ランニングのトレーニングをどのようにされていますか?
引退するまではずっと、トレーニングというのは自分自身を追い込んでいくもので、基本的にはつらいものでしたね。だから、引退してからはつらいというよりも、自分のペースで楽しくやって、長続きできるトレーニングが僕には一番合っていると思ってやっています。週4回走るときもあるし、体が疲れていたら休むこともあるし、自分の生活のリズムに合ったペースで。最低でも週2回くらいは空いた時間にジムか屋外で走ろうぐらいの心掛けでやっていますね。
――ランニングトレーニングをするときは、具体的にどこを何キロくらい走っていますか?
だいたいは近所のロードを走るか、もしくはロードから自宅近くの駒沢公園の1周2キロのコースを何周か走って帰ってくるという2パターンですね。ジムのマシンで走っていると、景色も一緒で飽きてしまうんです。やはり外を走るのが気持ちがいいですね。普段は車移動が多いので、外を走ると新しい発見があるんです。こんなレストランがあったのかとか、ここに花屋があったのか、という発見をしながら走るのは気分転換になっていいです。