シャラポワ、ノーシードからの再出発=全仏テニス
“フランス世界”でのシャラポワ
シャラポワは2−1(6−2、1−6、8−6)でペトロワを下し3回戦に進出 【Getty Images】
コートに立つシャラポワは、お人形さんのように見える。今回のドレスはよく似合っているが、お人形さんっぽさを一層、強調している。フランス男性の好みは、もう少しセクシーで肉感的なタイプのはず。だから、日本のようにシャラポワがアイドル視されることもないのだろう。
意外に思われる方もいるかもしれないが、そもそもシャラポワは、ローランギャロスではそれほど人気のある選手ではない。
一つの理由はプレースタイルか。フランス人が好むテニスではないように見える。フランス人が好きなテニスとはどんなテニスか、と聞かれると困るのだけれど、要はヤニック・ノアとかアンリ・ルコント、今ならリシャール・ガスケに代表されるような、芸術的というか、少しケレン味があって、創造性豊かなテニスだ。
グラウンドストロークの思い切りはいいし、ガッツはあるけれど、シャラポワのテニスは、まあ、芸術的とは言いにくい。
だから、とは言わないが、シャラポワはローランギャロスであまり勝てていない。全豪、ウィンブルドン、全米のタイトルを持っているが、ローランギャロスでは2007年のベスト4が最高で、決勝の舞台に立ったことはない。芸術性とかそういう話は置いておくとして、粘りとか脚力とか駆け引きとかそういう点で、シャラポワはレッドクレーと相性がよくないのだろう。
グランドスラム復帰戦 元女王の力を発揮
シャラポワは熱戦をこう振り返った。「こういう試合をこなしていくことが大事だと思う。少し長くかかったけど、その分、得るものも多かった。長く休んでいたわけだから、こういう厳しい状況を経験することで、よみがえってくるものもある。自分らしくファイトできたし、素晴らしい試合だったわ」。
四大大会は昨年のウィンブルドン以来の出場だ。元女王のシャラポワだが、グランドスラム復帰初戦の舞台は「1番コート」だった。世界ランク102位の(特に人気があるわけでもない!)外国選手にとっては、それが現実なのだ。この日の2回戦は第2センターコートの「コート・スザンヌ・ランラン」が割り当てられた。メーンコートの「コート・フィリップ・シャトリエ」でプレーするには、自力で勝ち上がっていくしかないのである。
<了>
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