湘南・反町康治監督、失意からの再出発=インタビュー

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ミスをした後の姿勢や態度が重要

「ミスを恐れずにトライする姿勢が大事」。監督の言葉を受け、選手たちの意識は変わりつつある 【スポーツナビ】

――監督就任会見では、「湘南の暴れん坊」を再現すると話していましたが

 何をもって「暴れん坊」とするのかは分かりませんが、少なくともスタジアムに見に来てくれたお客さんが、「生き生きと躍動しているな」と思ってもらえる試合をしたいですね。サッカーのスタイルは、試合中のシステムや相手との兼ね合いにもよります。チームが置かれた状況など、その都度、考えながらやっていきます。

――攻撃に関して言えば、昨季チーム得点王の石原直樹(18得点)が大宮アルディージャへ移籍しましたが

 それはしょうがないでしょう。J1のチームから誘われて行かないJ2の選手はいないですよ。しかも彼はまだ若いですし。クラブの財政的な面から言ってもこれは当然です。J2のクラブにとっては当たり前のことですよね。戦力補強に使えるお金は限られていますから。これは新潟のときから言ってきたことです。

――湘南に来たころと比べて、変わったと実感することは?

 選手は生き生きとプレーするようになったと思います。サッカーはミスのスポーツだから。去年の話を聞くと、ちょっとミスをすると代えられたようですが、わたしの場合は逆に「ベンチの顔色をうかがっていたら交代する」と言ってます。ミスについて怒ったことは一切ない。何回もトライしてミスすることがチームにとって大事。前に行けば行くほどミスは増えるわけで、ミスそのものは仕方がない。ただ、ミスした後、どんどん何度も仕掛けられるか。発想の転換が大事であって、ミスをした後の姿勢や態度が重要です。チャレンジする意識は変わってきたと思いますよ。

――最後に、今季の目標を聞かせてください

 当然J1昇格は視野に入れていますが、いいゲームをしてチームを強化していくことです。いいサッカーをしていれば順位はおのずと上がっていきます。抽象的な言葉ですが、選手たちには「モーション」と「エモーション」の重要性を伝えています。モーションというのは自分たちで動き出す、躍動すること。エモーションというのは感情をピッチで表現することです。試合を見に来てくれた人たちに、強い気持ちが伝わるサッカーをしないといけないと思います。

<了>

■反町康治/Sorimachi Yasuharu
1964年3月8日生まれ。元日本代表で、横浜フリューゲルス(当時)やベルマーレ平塚(当時)でプレー。引退後は、スペインでの指導者留学などを経て、アルビレックス新潟の監督を務めた。03年にJ1昇格を果たした後、2005年に新潟の監督を辞任。06年にはイビチャ・オシム氏が率いる日本代表のコーチと、北京五輪を目指すU−21代表監督に就任した。だが、08年の北京五輪では3戦全敗。同年12月に湘南ベルマーレの監督に就任した。

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