辞退者続出もなお強力布陣のアメリカ=WBC出場チーム分析
先発投手陣は辞退多数 救援陣は充実
クリフ・リー(インディアンス)、C・C・サバシア(ヤンキース)、ティム・リンスカム(ジャイアンツ)、コリー・ハメルズ、ブラッド・リッジ(ともにフィリーズ)、ブランドン・ウェブ(ダイヤモンドバックス)、ロイ・ハラデー(ブルージェイズ)……。
リーとリンスカムは、昨季のサイ・ヤング賞投手。ウェブ、ハラデーらも、その候補者。そんな彼らにことごとく拒否され、昨年は不調だったジェイク・ピービー(パドレス)、ロイ・オズワルド(アストロズ)が先発の主軸では、不出場組に見劣りする。
代表監督を務めるデーブ・ジョンソンが、リリーフ投手を多く選んだのは、そうした結果を受けてだろう。球数制限もあって、先発投手が終盤まで投げることはほとんどないが、中盤までにリードを奪ったら、リリーフで一気に逃げ切りを図る、という読みがうかがえる。ブライアン・フエンテス(注)(エンゼルス)、J・J・プッツ(メッツ)、B・J・ライアン(注)(ブルージェイズ)ら、クローザー候補がずらりと並び、セットアッパーにしても、ジョー・ネイサン(注)(ツインズ)、スコット・シールズ(エンゼルス)ら、堂々たるメンバーだ。
(注)フエンテスは2次ラウンドからの合流になる見込み。B・J・ライアンとネイサンはメンバーを外れた。これに伴い、ラトロイ・ホーキンス(アストロズ)、ジョエル・ハンラハン(ナショナルズ)、ジョン・グラボー(パイレーツ)がメンバー登録された。
一発攻勢よりつながる打線
前回は、本塁打に頼っていると批判されたが、今回はそれが出来ない。彼らが、互いにつなぐことに徹すれば、打線自体は前回よりも相手投手にとって、嫌なものとなるだろう。
多くが出場辞退をしたとはいえ、やはり優勝候補には違いない。メジャー全体に占めるアメリカ国籍の選手は73パーセント。その中のトップクラスが出場するのである。飛車角抜き、といった感は否めないが、それくらいのハンデがあってちょうどいいのかもしれない。
<了>