存在感際立つエース・秋山を軸に西条高が優勝=2008年秋季四国大会リポート

松倉雄太

西条高・秋山、投打で実力見せつける

 西条高今治西高、決勝に進出した愛媛勢の2校は順当に選ばれそうだ。
 県大会、四国大会と今治西高に連勝し、四国王者に輝いた西条高。何と言ってもエースで4番・秋山が大黒柱だ。四国大会を観戦した多くの高校野球ファンが「秋山の大会だった」と振り返るように、彼の存在感は際立っていた。ハイライトとなったのは準決勝の高松商高(香川)戦。初戦で明徳義塾高(高知)をわずか2安打に抑えた好投手・大森を相手に、秋山の打棒が爆発。1死一、三塁の初回、強烈な打球で右中間を破る先制の三塁打を放つと、さらに満塁で迎えた4回の第3打席では、大森のカーブをバックスクリーン右へ。中継していたテレビ局のカメラが追えないほどの強烈な打球には、打たれた大森もあぜんとするしかなかった。
 自らは「ピッチングの方が好きです」と語るように、決勝では1失点で完投。この秋山が一冬を越えてどんな姿を甲子園で見せるのか、非常に楽しみだ。リリーフ役の徳永も秋山が「負けたくない」とライバル心を燃やす好投手。神宮大会ベスト4とチームも自信をつけ、田邊監督もセンバツへ向けて手応えを感じている。

準Vに今治西高と愛媛勢が躍進

 準優勝の今治西高は、エースの大戸、3番を打つ瀧野、4番の加納と下級生時からのレギュラーが多い。県大会で西条高に敗れた悔しさをバネに、四国大会では準決勝までの3試合で27得点と打線が好調だった。思惑通り西条高との決勝になり、リベンジを期したが、秋山の前に初回の1点のみと打線が沈黙。返り討ちに遭ってしまった。それでも3年連続のセンバツ出場は有力な状況。甲子園でその強力打線を見せつけたい。

 中国地区の3枠目と争う、四国の3枠目候補は、高松商高尽誠学園高の香川勢。四国大会の試合内容から2勝を挙げた尽誠学園高に分があるように思われるが、県大会までさかのぼると、決勝で高松商高が1点差で勝っている。選考委員がどのように判断するか。
 四国大会連覇を目指した明徳義塾高(高知)だったが、馬淵監督が期待していた右腕・栗野が不調。急造エースとして主将の石橋が登板し、1勝を挙げたが、2日連投で力尽きた。

<了>
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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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