試合後、鹿児島城西・小久保悟監督会見=高校サッカー決勝

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結果だけが先走ってしまって内容がついてこなかった

大会ナンバーワンFW大迫勇也は今後どのような選手に成長するのか 【鷹羽康博】

――大迫希の途中交代は痛かったと思うが、けがだったのか?

 準々決勝で左足を負傷してしまって、治療をしていました。準決勝まではなんとかもったが、決勝の前半を見る限りでは本来の出来ではなかったので、最後のゲームとは分かっていましたが、チームのために辛抱してもらいました。

――大迫希の代わりに入った平原慎也が攻撃を活性化していたが、彼の動きについては?

 平原に関しては、チームでは後半から出る機会が多い。スタートからでも十分使える選手なんですけど、ゲームの流れを変えられる選手だと思っていましたので、途中出場で仕事をしてくれるという起用をしていました。

――1回戦から6試合を振り返って、鹿児島城西が追い求める人もボールも動くサッカーは貫けたと思うか?

 いや、できていなかったのではと思います。もう少し落ち着いてボールを動かした方が良かったのかなと。どうしてもセンターFWの2人頼みになったところがあって、なかなかサイドバックの選手もオーバーラップする機会が少なくて、サイドで数的優位を作れない状況が多かったので、結果だけが先走ってしまって内容がついてこなかったと思います。

――どこからでも誰でも点が取れるチームを作るために、どんな練習をしてきたのか?

 大迫勇也がポストプレーをして、2列目から大迫希や室屋(良憲)が出てきたりとか。セットプレーでは、成元(将平)や藏薗(友裕)あたりがヘディングで点を取るというトレーニングをしてきました。

大迫勇には日本代表のセンターFWになってもらいたい

――2度目の出場で準優勝に輝いたが、これからの課題は?

 しっかり守備の方も整理してやっていきたい。あと、個々の能力も上げていかなければならないと感じました。

――大迫勇と初めて会ったときの印象は? また今後、プロとして彼に期待することは?

 最初に見たのが小学校6年生のときで、そのときから伸びるのではというセンスを感じていました。いいものを持っていた気がします。順調に伸びてくれまして、正直ここまでレベルが上がって活躍するとは思っていませんでした。本人の努力で注目されるだけの選手になったと思います。これからは鹿島(アントラーズ)にお世話になりますが、選手権で最後に達成できなかった悔しい思いを、選手権という大会で経験したものをプロの世界で積み上げていって、最終的には日本代表のセンターFWになって頑張ってもらいたいなという思いはあります。

――選手が育った要因のひとつに中学校から6年間の一貫教育があったと思うが、その成果については?

 6年前に中学校のサッカー部を立ち上げまして、高校3年生が1期生になるわけですが、(選手を)6年間じっくり見られるというのは非常にいい環境だと感じます。技術の成長もありますが、体の成長や精神など、3年間で見きれなかったことが6年間見れるというのは、生徒をじっくり育てられる期間があると思います。

――鹿児島県にJクラブのユースチームはないが、この準優勝という結果をどのようにとらえているか?

 鹿児島でも、少年サッカーの指導者の方々が非常に熱心に指導されてますので、いい選手がたくさんいて、土壌もあると思います。プロのチームはないですけれど、将来的には鹿児島も手を挙げることができればと思います。

<了>

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