美しき未完の大器・青木愛=シンクロ五輪代表最終選考会
16日、東京・国立スポーツ科学センターで行われた北京五輪代表選手最終選考会で、9人の選手が代表に選ばれた。日本代表は、来年4月・北京で開催される五輪予選に出場、五輪出場権獲得を目指す。
躍進の代表入り
未完の大器・青木愛。弱点と戦い、北京五輪への道を歩き出した―― 【Photo:北村大樹/アフロスポーツ】
13人の候補選手が選ばれた9月の第一次選考会で11位だった青木にとり、さらに9人に絞られる今回の最終選考会は難関だった。それでも「(五輪出場は)小さいころからの夢だったので、悔いを残さないようにしようと思った」。本番直前には腹痛があったが、前日から緊張するということはなく、適度な緊張で臨めたという。演技中も、「どこかで失敗をしても、次は絶対ミスせぇへんように」と、一つのミスをひきずる悪い癖も抑えて演じ切った。
そして、夢の舞台への青木の思いが、7位通過という結果を生む。金子正子シンクロ委員長は「オリンピックになんとしても行きたいという気持ちが強かった」と話し、選考会の最後に行ったテクニカルルーティンは、金子委員長をして「拍手したいくらい良かった」と言わしめる出来栄えだった。金子委員長の「良かったよ」という言葉に、青木は涙をこぼして抱きついてきたという。
最終選考会後の会見で、記者の質問に答える青木 【沢田聡子】
日本代表の演技にスケール感を出すために重要な存在である青木は、今はスタートラインに立ったばかりであることをよく理解している。「代表に選んでもらっても補欠としてプールサイドで見守っていることが多かったので、今回は絶対泳ぎたい」
「背が高くて私たちには必要な選手なので、頑張ってくれて嬉しい」(金子委員長)。演技はまだ粗削りな印象だが、若い青木は北京五輪までに変ぼうを遂げる可能性を十分に秘める。「北京では絶対にメダルを取らなければいけないので、後8カ月しかないですが一日一日頑張っていきたい」日本シンクロの伝統を北京五輪でも守るため、美しき未完の大器・青木愛にかかる期待は大きい。
<了>
シンクロ五輪予選代表に選ばれた選手たち。左から二人目が青木 【沢田聡子】
原田早穂(東京シンクロクラブ)
鈴木絵美子(東京シンクロクラブ)
川嶋奈緒子(アクラブ調布)
松村亜矢子(ザ・クラブピア・88)
橘雅子(浜寺水練学校)
小林寛美(浜寺水練学校)
青木愛(井村シンクロクラブ)
石黒由美子(ザ・クラブピア・88)
小村恵里佳(井村シンクロクラブ)
※選考会順位順
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