日本最南端のプロチームが起こす、新しい熱気=バスケットボールbjリーグ
3年目でカンファレンス制度を導入
3年目を迎えるbjリーグは今季から琉球、福岡が新たに加わり、カンファレンス制度を導入 【Photo:杉本哲大/アフロスポーツ/bj-league】
バスケット王国・沖縄のデビュー
琉球は2戦目でリーグ初白星を挙げた。写真は、相手コートへ攻め入る琉球の澤岻(たくし)直人 【Photo:杉本哲大/アフロスポーツ/bj-league】
そして迎えた3日の開幕戦、キングスは大分ヒートデビルズを相手に第1Qから持ち味であるテンポの速いバスケットボールを展開。スリーポイントシュートなど外からのシュートがよく決まったこともあり、前半を終え12点のリードをつけて折り返す。しかし、第3Qはヒートデビルズが猛反撃、このQだけで24対9と圧倒し54対51と逆転。第4Qに入るとキングスも盛り返し、一進一退の攻防が続く。しかし、キングスは2点を追う残り3秒で痛恨のターンオーバーを喫し、大分が辛くも逃げ切った。
続く4日の第2戦は、第1Qでヒートデビルズが先行すれば、第2Qにキングスが追い上げて39対38と逆転して前半を終える。後半に入っても両チームとも一歩も譲らない試合は、オーバータイムへと突入。オーバータイムに入っても、ゴール下へと積極的なアタックを仕掛けるキングスに対し、大分はファウルアウトしたジャスティン・アレンが審判に暴言を吐くなど、退場後に二つのテクニカルファウルを犯してしまう。その結果、キングスは4本のフリースローを得ると、このチャンスをこの日33得点を挙げたダニー・ジョーンズがすべて決め、残り3分15秒の時点でリードを7点に広げる。大分の桶谷大ヘッドコーチは「観客のみなさんに謝っても謝りきれない行為をした選手がいたことがショックでした」と試合後に語ったように、このアレンの暴走が試合のキーポイントとなりキングスが96対87で記念すべきチーム初勝利を挙げた。
個性派の琉球Gキングスにかける期待
個性の強い琉球ゴールデンキングス。参入1年目で文字通り黄金の輝きを見せられるか 【Photo:杉本哲大/アフロスポーツ/bj-league】
また、キングスはチーム自体も、他のチームと一味違う。2試合ともキングスは試合最後のシュートを決めれば同点、または勝ち越しという場面を得ていた。外国人選手枠の制限がないbjリーグにおいて、このような勝負所では外国人選手がボールを持って1対1を仕掛けるのがほとんどだ。しかし、キングスでは両方の場面で澤岻が1対1を行っていた。これは、他のチームとの大きな違いと言え、日本人選手の育成というリーグの理念を最も実戦しているチームの一つと評してもいいだろう。また、第2戦に出場した山城吉超は、188センチながら120キロで、他にいないタイプの巨漢ガードであるなど、個性豊かな選手がそろっている。日本最南端という場所、そして地元の選手を多く採用している所など、いろいろな面で独自の雰囲気を持っている琉球キングス。沖縄、そして日本バスケットボール界の活性化のために、新規参入といえど今年のリーグでインパクトを残すことを期待したい。
<了>
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