高橋不在でフレッシュな新王者誕生、中庭は10位に終わる=フィギュア男子

辛仁夏

来季に目を向け前向きな中庭

フリーで苦戦し、総合10位に終わった中庭 【Getty Images】

 最後に、欠場した高橋の分まで頑張って欲しかったのが、狙っていたトリノ五輪代表を逃して失意の中にいた中庭健介(パピオクラブ)だったが、結果は満足のいくものではなかった。今オフに激しい腰痛に見舞われ、丸々2カ月も氷上に立てず、練習ができなかったという中庭は、あきらかに練習不足を露呈させる出来で、ジャンプにはまったく安定感がなかった。

 SPでは自信を取り戻していたというトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒するなど、ジャンプの着氷で大きくバランスを崩していた。また、FPでも最初の4回転トーループで身体の左側を強打するなど激しく転倒してしまい、しびれて左ひじが動かない状態のまま、演技を続けたという。2つめのジャンプだったトリプルアクセルでステップアウト、3回転ルッツ+2回転トーループでは手をついてしまい、単発の3回転ルッツは両足着氷。最後のジャンプだった3回転フリップでも冒頭の4回転と同じ転び方をしてしまった。ジャンプで大きな失敗をしたにもかかわらず、終盤のストレートラインステップでは最後の力を振り絞って懸命に滑り、コンビネーションスピンもレベル4を取る内容で締めくくれたのは、今後につながる演技だったと褒めたい。結果は、ジャンプで大きな失敗を2度も犯かし、SP7位からフリー最下位の総合10位だった。

 「今季から新たに協力してくださっている方たちのためにも頑張ろうと思っていたし、パーソナルベストを更新したいと思って臨んだが、残念な結果です。GPはこの中国杯だけなので、2週間後のスロバキアでの試合とその後、中1週間空けてのドイツでの試合ではワールドランキングのポイントを稼ぐために優勝したい。今後は来季のためのポイントを取りに行きます」と、落ち込んではいられないとばかりに前を向いたコメントを残した。

<了>

3/3ページ

著者プロフィール

 東京生まれの横浜育ち。1991年大学卒業後、東京新聞運動部に所属。スポーツ記者として取材活動を始める。テニス、フィギュアスケート、サッカーなどのオリンピック種目からニュースポーツまで幅広く取材。大学時代は初心者ながら体育会テニス部でプレー。2000年秋から1年間、韓国に語学留学。帰国後、フリーランス記者として活動の場を開拓中も、営業力がいまひとつ? 韓国語を使う仕事も始めようと思案の今日この頃。各競技の世界選手権、アジア大会など海外にも足を運ぶ。

新着記事

編集部ピックアップ

「キャディさん頑張れ!」の声援100回 …

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント