高橋不在でフレッシュな新王者誕生、中庭は10位に終わる=フィギュア男子
フレッシュな顔ぶれのメダリスト
会心の演技でGPシリーズ初優勝を飾ったアボット 【Getty Images】
ショートプログラム(SP)でトップに立ったのが、これまで本番では必ず失敗をしていたジェレミー・アボット(米国)だった。意外な展開にメディア関係者も驚いていたが、当の本人はどこ吹く風といった感じで、練習を積んできた今季はかなり自信も持って臨んできたようだ。SP後の会見ではこんなことを言っていた。
「結果には興奮している。自分で攻められたので良かった。きょうのSPはジャンプ、スケーティング、スピンなどすべてにおいて良かったし、上達していることを証明できた」と胸を張っていたほどだ。
そして、迎えた8日のフリープログラム(FP)でもハイスコアをマークして堂々の1位となり、嬉しいGP初制覇を果たした。
23歳のアボットはこれまでの主要国際大会では一度もタイトルを手にしていないが、この中国杯で77.05点のSPも、156.39点のFPも、233.44点の総合得点でも自己ベストの得点をたたき出す内容で初の頂点に上った。
ジャンプに安定感を見せたアボット
今回のアボットはSP『Adagio』でもFP『Eight Seasons』でも、一度もジャンプの失敗がなかった。それだけ、今季はジャンプに安定感があり、自信を持っている様子がうかがえた。コンビをつける予定のジャンプでつけられなくても、次のチャンスにコンビジャンプを跳ぶなど、臨機応変に余裕を持った対処ができていたからだ。
プログラムに4回転はないが、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で加点をもらえるほどきれいに跳んでいたことが躍進の要因になっていた。ジャンプが安定したことで、演技にも余裕が生まれ、終盤のストレートステップも勢いに乗って滑っていたのが印象的だった。最後のジャンプ、ダブルアクセルで着氷が乱れたが、フィニッシュポーズの後にはガッツポーズも飛び出す会心のプログラムを見せた。