フェデラーの王者奪回なるか 大混戦の女子は?=全米OPテニス見どころ

テニスネットPro

フェデラーvs.ナダル、新旧対決

全米OP第2日に出場したフェデラーは、1試合目を勝利し好発進 【Photo:ロイター/アフロ】

 25日から始まった全米オープンテニスは、今季最後のグランドスラムというだけではなく、世界中のテニスファンの大きな注目を集めている。

 その注目の一番の引き金は、男子の世界ランキング1位が4年ぶりにロジャー・フェデラー(スイス)から、ラファエル・ナダル(スペイン)に入れ替わったことである。

 今季絶好調のナダルは、全仏オープンで4連覇を成し遂げると、続くウィンブルドンではフェデラーを歴史に残る大接戦で倒し、フェデラーの前人未到の大会6連覇の夢を打ち砕いた。その後もフェデラーは調子が上がらず、ATPマスターズシリーズでも1回戦負けなどを喫し、逆に苦手だったはずのハードコートでも勝利を重ねるナダルとの差は縮まるばかり。結局、北京五輪でもナダルが金メダルを獲得し、その翌日に発表されたランキングでは、237週も王者に君臨していたフェデラーを抜いて、ナダルが世界ランク1位に上り詰めた。

 ナダルにとっては世界ランク1位になって初めて迎えるグランドスラムとなるこの全米オープンテニスで、現在4連覇を果しているフェデラーとの新旧王者対決に大きな注目が集っている。

 ナダルは苦手と言われていたハードコートでも素晴らしい適応能力を見せており、39年振りとなる1シーズン3つのグランドスラムタイトル獲得を狙える可能性が高い。唯一の懸念としては、ここまで過密スケジュールで全仏オープンから戦ってきたナダルの古傷を抱えたヒザ。ナダルのテニスは、フットワークが命なだけに、ハードコートの滑らないサーフェスがどう影響を及ぼすかが心配なところだ。

 フェデラーとしては、悪い流れを相性のよい全米オープンテニスで断ち切って、大会5連覇を達成し、再び王者復権に向けて少しでも早くスタートしたいはずである。

 このトップ2のほかにも、日本注目の錦織圭は1回戦で29シードのJ・モナコを破っており、久々の男子日本人選手の活躍を期待したいところである。

実力が拮抗する女子は、大混戦状態

 そして、もうひとつの注目は女子シングルス。

 今季はこれまで女王に君臨していたジュスティン・エナン(ベルギー)が、5月に突然の現役引退を表明。その後の全仏オープンで優勝した、アナ・イバノビッチ(セルビア)が現在世界ランク1位に上り詰めている。

 しかし、ウィンブルドンではヴィーナス・ウィリアムズ(米国)が妹セレナとの姉妹対決を制して大会2連覇を達成するなど、また、イバノビッチと同じセルビアのイェレナ・ヤンコビッチらも好調で、毎週ランキングが入れ替わる接戦が続いている。

 今回の全米オープンテニスは、今季の全豪オープンで優勝した現在世界ランク5位のマリア・シャラポワ(ロシア)が北京五輪に引き続き肩のケガから欠場となっているが、現在のランキングでは1位のイバノビッチから7位のディナラ・サフィーナ(ロシア)までの差が実に600ポイントしかなく、今大会の結果によって再び大きなランキングの変動が期待できそうである。

 現在の女子は実力が拮抗(きっこう)しており、誰が優勝してもおかしくはない大混戦となっており、最後まで目が離せない戦いが続きそうだ。

<了>
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