東洋大打線をよみがえらせた名将の手腕
打線復活の13得点
続く4回も東北福祉大投手陣に襲い掛かり、中倉裕人(4年=PL学園高)のスリーランなどで7点を追加。終わってみれば13安打を放ち13得点、5回コールドの圧勝だった。
打線復活の影に“分析と修正”
函館大戦の試合後、東洋大ナインは続く第2試合、東北福祉大対奈良産大戦を観戦するはずだった。ところが、高橋昭雄監督は「ここまで打てないんじゃ見たって仕方ない。帰って練習」と予定を変更した。
練習内容は逆方向を意識した打撃練習だ。函館大戦では、ボールを待ちきれず肩が開いてしまう選手が多かったため、振り出すタイミングを遅らせようとしたのである。さらに、バスターでフリーバッティングをしてコンパクトなスイングを体に染み込ませた。
この大勝は、その成果が出たからにほかならない。不調の原因を瞬時に見抜いて適した練習を実施する分析力と修正力。それこそが高橋監督の真骨頂だ。
気持ちは次へ
高橋監督は帰り際にそうつぶやいた。だが、4回の攻撃中に「ここまできたら(コールド勝ちになる点差の)10点取れ!」とナインを鼓舞していたという。初戦から決勝まで4連戦となる投手陣に少しでも楽をさせたいという思いからだった。
指揮官の気持ちは、ゴルフ場よりも準決勝、決勝へと向いている。名将のらつ腕が、東洋大を頂点へと導く。
<了>
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