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東洋大打線をよみがえらせた名将の手腕
第57回全日本大学野球選手権4日目リポート

打線復活の13得点

【東洋大 13対0 東北福祉大】 神宮の空に次から次へ快音が響く。東洋大の3回の攻撃、先頭の鈴木大地(1年=桐蔭学園高)が四球で出塁すると、犠打をはさんで坂井貴文(2年=春日部共栄高)、鈴木啓友(4年=愛工大名電高)が連続ヒット。鈴木の安打が先制タイムリーとなった。さらに、4番・十九浦拓哉(4年=八千代松陰高)がレフト越えの2点タイムリーなどで得点を重ね、一気に5点をリード。

 続く4回も東北福祉大投手陣に襲い掛かり、中倉裕人(4年=PL学園高)のスリーランなどで7点を追加。終わってみれば13安打を放ち13得点、5回コールドの圧勝だった。

打線復活の影に“分析と修正”

 前日(12日)に行われた函館大との2回戦を4対0で勝利した東洋大。しかし、3回以降は無安打と打線は低調だった。そのため、選手たちの表情は勝ったとは思えないほどに暗かった。それがこの日は見違えるほどの大爆発。果たして何があったのか。

 函館大戦の試合後、東洋大ナインは続く第2試合、東北福祉大対奈良産大戦を観戦するはずだった。ところが、高橋昭雄監督は「ここまで打てないんじゃ見たって仕方ない。帰って練習」と予定を変更した。

 練習内容は逆方向を意識した打撃練習だ。函館大戦では、ボールを待ちきれず肩が開いてしまう選手が多かったため、振り出すタイミングを遅らせようとしたのである。さらに、バスターでフリーバッティングをしてコンパクトなスイングを体に染み込ませた。

 この大勝は、その成果が出たからにほかならない。不調の原因を瞬時に見抜いて適した練習を実施する分析力と修正力。それこそが高橋監督の真骨頂だ。

気持ちは次へ

「取りあえず、明日のゴルフはキャンセルだな」

 高橋監督は帰り際にそうつぶやいた。だが、4回の攻撃中に「ここまできたら(コールド勝ちになる点差の)10点取れ!」とナインを鼓舞していたという。初戦から決勝まで4連戦となる投手陣に少しでも楽をさせたいという思いからだった。

 指揮官の気持ちは、ゴルフ場よりも準決勝、決勝へと向いている。名将のらつ腕が、東洋大を頂点へと導く。 


<了>

スポーツナビ

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