関西からやって来る注目投手たち=全日本大学野球選手権直前リポート
近大の“T3”揃い踏みなるか
今秋のドラフトの目玉でもある巽は、投球フォームの試行錯誤で好不調の波が大きく、昨秋のリーグ最優秀投手の滝谷は左ひじの炎症で出遅れた。そこで谷口が先発からロング救援までフル回転。厳しい状況を何度も気迫溢れる投球で凌いだが、その疲れからかリンパ腺を腫らしてしまい、最後の対戦カードとなった関大戦では登板できなかった。ただ、巽は結果的にはリーグトップの5勝を挙げ、滝谷も試合勘を取り戻して復調の気配。谷口の体調も快復している。全国大会の舞台で3人が揃い踏みすれば1998年の第47回大会以来5度目の全国制覇への道が開けるはずだ。
新球種に手応えをつかんだ榊原に期待
鈴木英之監督は「結果的には伊原の方が防御率とかはいいんやけれども、榊原の方が信頼度は上。だから、彼はエースなんですよね」と語る。これまで榊原はスライダーが決め球という印象が強く、それを狙い打たれたり、左打者への攻め方が単調になってしまうことがあった。しかし、落ちる球(フォークとチェンジアップ)を完全習得。「アイテムが2つ増えたことで、それ以上に選択肢が増えましたね」(鈴木監督)の言葉通り、さらに幅広い投球が可能になった。
「左打者も含めて楽になった部分はあるし、勝てる投手としてのステップアップにもなると思う」
榊原自身も新たなる手応えをつかんでおり、2度目の大学選手権で頂点を目指す。
<了>