女王復活トールポピー! 7月アメリカンオークスも視野に=オークス

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女王復活! トールポピーがGIオークスを制し3歳牝馬の頂点に 【スポーツナビ】

 JRA3歳牝馬クラシック第2弾、第69回GI優駿牝馬(オークス)が25日、東京競馬場2400メートル芝で開催され、4番人気の2歳女王トールポピー(牝3=角居厩舎)が復活V。3歳牝馬の頂点を決める大舞台で、見事女王の座に返り咲いた。騎乗した池添謙一はオークス初勝利、管理する角居勝彦調教師は2005年シーザリオ以来となる2勝目となった。なお、池添は最後の直線で内側に斜行した騎乗が危険な騎乗と見なされ、開催2日間(5月31日〜6月1日)の騎乗停止となった。

 一方、牝馬二冠を狙ったレジネッタ(牝3=浅見厩舎)は3着。2003年のスティルインラブ以来となる史上11頭目の快挙達成はならなかった。2着には、馬場の真ん中をしぶとく伸びてきた桜花賞2着のエフティマイア(牝3=鹿戸雄厩舎)がアタマ差で惜敗。桜花賞に続き大魚を逃した。なお、1番人気に支持されたリトルアマポーラ(牝3=長浜厩舎)は7着に敗れた。

桜花賞まさかの8着から立て直し大成功

パドックに現れたトールポピーは角居調教師も納得の好仕上がりだった 【スポーツナビ】

 復活の雄たけびだった。エフティマイアをアタマ差で競り落としたゴール後、鞍上の池添は大きく1度、2度とガッツポーズ。2歳女王の底力を、改めて示した。

 「前走は負けてしまって(桜花賞8着)、陣営もそうだと思いますが、僕もすごく悔しかった。結果を出すことができて、ホッとしています」

 2歳女王の看板を引っさげ、1番人気で臨んだ牝馬クラシック第一冠目の桜花賞は、まさかの8着惨敗。だが、池添、角居調教師をはじめ陣営は、トールポピーの絶対的な能力を信じていた。また、2歳のデビュー時より「この馬はオークスでこそ」と期待をかけられていた馬。巻き返しへ懸命の立て直しがはかられ、桜花賞の敗因と言われていた馬体重も今回はプラス2キロ。角居師は「数字よりも随分と迫力のある馬体だった」と語り、池添も「プラス体重で使うことができたし、返し馬からすごく雰囲気が良かった。いい状態だと思いました」と、レース前から反撃の手応えをつかむことができた。

直線イン突き抜けるも、池添は騎乗停止に

直線インから付きぬけV……も、騎乗した池添は内側斜行で開催2日間の騎乗停止に 【スポーツナビ】

 道中は、スタートから押し気味にポジションを上げて、中団よりやや前の位置。内ラチぴったりのルートを選択したことに関して、「昼間のレースを走って、内側がそんなにボコボコしていないと分かったので、最初から内に入っていこうと思いました」と池添は振り返る。ゆったりとしたスローペースの中、「4コーナーまでは完ぺきでした」と直線入り口へとさしかかり、いったんは外へと進路を取る。
 だが、「ブロックされてしまったので、行き場をなくしてしまい、内に切れ込む形に」と、強引にインへと方向転換。結果的に、この舵取りが勝利を引き寄せ、また逆にレジネッタ、ソーマジック、オディール、マイネレーツェルの進路を邪魔することになってしまった。
 「他の馬に迷惑をかけて、申し訳ない気持ちでいっぱいです。反省の方が大きいですね」
 ゴール直後のガッツポーズとは打って変わり、勝利騎手インタビューでは神妙な面持ちの池添だったが、トールポピーの着順にはお咎めなし(池添は危険騎乗と見なされ、開催2日間の騎乗停止)。馬場の真ん中をしぶとく突っ込んできたエフティマイアの追撃を振り切り、女王復活のゴールへと飛び込んだ。

シーザリオに続け! アメリカンオークスも選択肢

厩舎の偉大な先輩シーザリオのように米国遠征プランも――夢は広がるばかりだ 【スポーツナビ】

 ジョッキーが騎乗停止となる後味の悪い結果となったが、ともあれ世代ナンバーワン牝馬へと返り咲いたトールポピー。05年シーザリオ以来2度目のオークス美酒を味わった角居調教師は、今後のローテーション関して「どうするかはまだ決めていないですね。色々とレースはありますが、休養するかもしれないです」とコメント。ただし、シーザリオが7月の米国アメリカンオークスを制覇したように、これと同じ挑戦プランも選択肢の一つにあると語った。
 「新馬戦からずっとコンビを組んでいる馬で初めてGIを勝てた」と喜びをかみしめた池添も、「いっしょに頑張りたい」と、トールポピーにどこまでもついていく構えだ。

 秋の三冠ロード最終章へ向けていったん体を休めるのか、それとも厩舎の偉大な先輩がたどった米国への道を歩むのか。トールポピーの前には大きな夢が広がっている。

小牧太悔やむ「2コーナーで引っ掛かったのが……」

3着に敗れ、二冠達成はならず引き上げてくるレジネッタと小牧太 【スポーツナビ】

 勝ったトールポピーからアタマ+1馬身半差、タイムにして0秒2差。決定的な差とまでは言えないだけに、余計に悔いの残る敗戦だった。最後の直線で、前を行くトールポピーがレジネッタの進路をカット。不利がなければ……と、誰もが思っただろう。
 しかし、騎乗した小牧太はそのことにはまったく触れず、道中で引っ掛かったことを悔やんだ。
 「道中で挟まれて、2コーナーで引っ掛かってしまった。ヤバイな、って思って……。3コーナーでは息が入ったんだけど、やっぱり2コーナーで引っ掛かったのがね」
 潔く敗戦を認めた一方で、「今日乗って、この馬の力をすごく感じた。力あるわ、やっぱり」と、愛馬の能力を最大級に評価。12番人気の低評価を覆した桜花賞V、そしてオークス3着の力走と、これでレジネッタをフロック視する見方はもうされないだろう。秋の三冠最終戦・GI秋華賞(10月19日、京都2000メートル芝)で、再び女王の冠を奪還するまでだ。

 一方、1番人気に支持されたリトルアマポーラは、直線伸びず7着に敗退。騎乗した武幸四郎は「馬の体調も良さそうだったし、普通にスムーズにレースができた。でも、アレ?ってくらい、首を傾げるぐらい伸びなかったですね。ちょっと分からないです……」と、まさかの末脚不発に肩を落としていた。
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