靭帯損傷…五輪目前の大けがから3年 モーグル女子、戻ってきた伊藤と村田
村田と伊藤、二人で計4つのメダル獲得
3年前のソチ五輪時期に、大けがを負った村田(左)と伊藤。冬季アジア大会では、2種目で表彰台に立った 【写真:アフロスポーツ】
24日のデュアルモーグルに続き、26日に行われたシングルでも3位に入った伊藤。「決勝はすごく緊張しました。(トップで)戦えている中での緊張というのがワールドカップ(以下W杯)では無かったので、優勝を狙っている1人として戦えている感覚を得られたのが今日の手応えです」と、国際大会では久しぶりとなるメダル争いに満足げな表情を浮かべた。
シングルを制した村田は、今シーズンから2季ぶりにW杯復帰を果たしたばかり。「(ソチ五輪で痛めた)膝はすごく調子が良くて、(滑りも)だいぶ戻ってきました。(けがをする前と比べて現状は)60〜70パーセント、もう一息だと思います」。
膝の大けがからはいまだ復調途上
ソチ五輪会場での公式練習で、痛めていた箇所を再び負傷した伊藤(写真中央) 【写真:アフロ】
先にW杯へ復帰したのは伊藤。15年ー16年シーズンから世界の舞台に戻ったが、今に至るまで最高成績は11位と、ソチ以前の表彰台、上位入賞を重ねていた頃の姿からは程遠い。村田も同じタイミングで復帰が予定されていたが、結局W杯に出場できたのは昨年の12月から。3シーズンぶりの復帰を果たしたものの、まだ決勝に残ることもできていなかった。
けがした下半身を守ろうと筋力トレーニングに励んだ結果、全体のバランスが変化し「上半身がブレるようになった」(伊藤)など、体を以前と同じ状態に戻すのは至難の業。29歳(伊藤)、26歳(村田)と20代後半の2人はかつての滑りを取り戻そうともがき続けた。
「やっと戻ってきた」
日本開催の大会で、結果を残した二人。平昌へ向かってそれぞれ歩みを続ける 【写真:ロイター/アフロ】
「今日みたいに自分の良い滑りをし続けていくことが、これから勝てる場所に戻っていく唯一の方法だと思います。どんな時も、どんな条件でも勝てる条件を自分で作っていきたいです」(伊藤)
「けが前にやっと戻ってきたなという感じなんです。平昌へ向けて第2の地元である札幌でこのような結果を出せたのは次につながりますし、練習を重ねて頑張ります」(村田)
他の選手たちから遅れること3年、平昌へ続く道のスタートラインに、ようやく2人が帰ってきた。
(取材・文:藤田大豪/スポーツナビ)
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